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2023年の文化的活動を振り返るー美術館&博物館編

明けましておめでとうございます。
Happy New Year!
新年快乐!

マレーシアでの、駐在員としての任期を終えて帰国し、もう少しで2年が経つ。帰国途上で書き上げた記事では、日本でやりたいこととして文化的活動(※)に勤しむと記していた。
(※)展覧会、映画、観劇、コンサート等々


帰国したその年は、マレーシア滞在中にハマりにハマったトニー・レオン⇒ウォン・カーウァイ監督作品に塗れた。


では昨年2023年は?
新年明けてしまったけれど振り返っておく。まずは美術館&博物館から。全3部作の予定です。





2023年2月:レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才@東京都美術館

美術館・博物館がひしめく上野と言えば、国立科学博物館と国立西洋美術館が好きすぎて他には滅多に行かないのだが、遂に東京都美術館デビューを果たした。エゴン・シーレに会いに行きたくて。

1918年~1920年にかけて大流行したスペイン風邪によって、たった28年の生涯を閉じたオーストリアの画家。
この絵を見たときから、こんな絵を描く人ってどんな人?って思ってた。

「死と乙女」(1915年)
ベルヴェデーレ・ギャラリー所蔵


こんな人でした。

当該展覧会での展示より

鏡を見つめる眼差し、
でもその手前にあるカメラ(≒その手前のカメラマン、更にはこの写真を見るであろう人)を強烈に意識しているであろう眼差し。
夭折の天才に相応しい自意識過剰さにくらくら来た。


当該展覧会での展示より

この言葉は、臨終の際に語った言葉だそうだ。これだけでも、自分の才能に対する絶対的な自信が伺えるというもの。
28歳で亡くなっていなければ、どんな作品をこの世に送り出していたのだろう。時期的にはちょうど写真が台頭してきて、古くからの絵画表現とのせめぎ合いがあったのかなと勝手に思っている。後世の我々は、写真と絵画を融合させた新しい作品を楽しむことができたのでは…

等々、興味は尽きない展覧会ではあったのだけども、正直観客の多さに辟易し、早々に美術館を後にしてしまった(蛇足)。こうして熱心に足を運ぶ観客がたくさんいるからこそ、こんなマイナーな画家でも大々的に展覧会が開かれるんやろなぁとは思いつつ。



2023年3月:CHERISH NAKAKI PANTS SOLO EXHIBITION@丸善 名古屋本店

名古屋を訪問したときに、栄にある丸善にふらっと立ち寄って出合った。

ナカキ…ぱんつ!?

(゚∀゚)
こういう色味がパキッとしたポップな絵だいすき。初音ミクみたいなツインテールの女の子もかわいい。
一目惚れして即、画集お買い上げ。

帯にあった彼女の言葉も刺さった。

苦手を克服せずに好きを伸ばして辿り着いた今の自分が気に入ってる

NAKAKI PANTZ

絵ハガキも何枚か買い自宅の机に飾っているので、在宅勤務中の乾ききった心を癒してもらってます。



2023年4月:世界の昆虫館

ここはGWを利用して下呂&高山を旅したときに、何の気もなしに訪れた。ホンマに日本の温泉地って、こういった類の場所多くないですか…?

ややインパクト強めの入口


特にモルフォとかアゲハとか、光沢のある色彩が不思議でならない。本当にあんたら生き物?

モルフォチョウ
アゲハチョウ


ここでいちばん心に残っているのは、こちら。
日本国内で、こんなに詳しくマレーシアのこと(しかも切手と昆虫)を展示している場所って他にあるのかしら。



2023年5月:岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

下呂&高山からの帰途で立ち寄り。水族館マニアからすると、世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふと大いに迷ったが、過去に来訪済みのため初来館となるこちらを選んだ。

か「が」みがはらちゃうんよ、か「か」みがはらなんよ…
知ってた??


こういう計器類とか、

三式戦闘機一型乙「飛燕」計器盤


仕掛けは全く不明ながらも、配線がうようよ這ってるエンジン類を眺めているのが異様にすき。技術者のこだわりが感じられるようで。細部に宿る美とでも言いますか。
無駄や隙のない設計、構造物は美しいと思う。

T58-IKI-10M2 ターボシャフトエンジン


R-1340-AN-1 レシプロ・エンジン
1920年代にアメリカで開発された空冷星形エンジン
(展示解説より)


LE-7 エンジン
H-Ⅱロケットを打ち上げた22,000馬力の国産エンジン
(展示解説より)



戦闘機は後ろから見るのがすき。

マグドネル・ダグラス/三菱
F-4EJ改 戦闘機 愛称ファントムⅡ
全天候戦闘能力を持つ複座型超音速戦闘機(展示解説より)
同じやつ
世界各国で長年活躍した割に、こんな後ろ姿にキュン死に(死語)


本場(?)、アメリカはワシントンDCのスミソニアン協会国立航空宇宙博物館に行った記事も発掘しておこうか。


そしてこんなの撮ってる辺り、職業病にも程がある苦笑

自昭和13年至昭和20年飛行機施策状況
所謂工程表、WBSですな(分かる人にだけ分かれッ)



2023年5月:親鸞@京都国立博物館

下呂&高山の後に帰省。
GW帰省時、高校時代の友人と京博へ行くのが恒例となっている。このときは生誕850年(!)ということで親鸞の特別展が催されていたが、あまり刺さらなかったようで(もしくは撮影厳禁だかで)この写真が残っているのみ。

善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや from 歎異抄



2023年11月:原美術館ARC

以前は北品川にあったのですけどね。
原美術館。

この美術館の佇まいが好みで気が向いたら通っていたのだけど、私がマレーシアに住んでいた2021年中に閉館と相成った。群馬県は伊香保温泉の程近く、別館として1988年に開館していた場所でリニューアルオープンとな。


なんと2022年の全く同じ日に訪れていた。

2022年、快晴!


2023年、曇天…



そうそう、気になって仕方なかった蜷川実花に魅了されたのもこの美術館だった。何度か個展が開かれていて足を運んだものだ。

以下は、2010年のとある日数時間だけ、目黒川に咲く桜を撮影した連作らしい。蜷川実花の作品と言えば、自身が監督を務めた「さくらん」「ヘルタースケルター」のように極彩色×豪華絢爛なイメージだが、彼女の世界はそれだけではないようで。


榛名山の懐に抱かれた自然豊かな美術館、気軽にふらっとは行けはしないが若干中毒性あり。
(2022年の写真で失礼…だって快晴の方が見映えがするもの)



2023年12月:ものごとのかたち@NTTインターコミュニケーション・センター

最後を締めくくるのはこちら。

最近知り合いになったNTTグループの方から招待券をいただいたので、行ってみた。原美術館ARC含め、現代美術に対して全くアレルギーはない。

というか、というより、こういうの、めちゃすき!!
数学的な素養はほぼ皆無なことは自覚しているが、そういった理論から創り出されるであろう作品は大好物である。
規則正しさから立ち現れる美しさといったものが。


展示はもちろんこれだけではなく(むしろごくごく一部だ、何ならとある一室のみだ苦笑)、この無響室が超絶人気のようで、週末は予約必須らしい。この日は珍しく、予約なしかつ待ちもなしで入ることができた。


真っ暗闇な部屋へ誘われて、ただ聴覚のみで味わう作品。閉所や暗い場所が苦手な方はご遠慮ください。
こういった空間にいると、視覚って超絶意味ねーなーと思い知らされる。目を開けていようが閉じていようが、そこに横たわるのは絶対的な闇だ。
目を退化させた深海魚のいる世界ってこうなのかな。とか、とりとめのない思考に身を委ねたり、自分の前から後ろから右から左から、通り過ぎるサウンドに耳をすませているうちに、あっという間に体験時間が終了する(作品によるが、10~20分程度)。なかなか稀有な時間でございました。人気なのも頷ける。

実は私、オーストラリアはシドニーでも、真の漆黒の闇を体験したことがある。そのときの記事はこちら。





2023年に訪れた展覧会、美術館や博物館を纏めてみた。こうして並べてみると、現代美術に大いに好奇心を刺激されたのらしい。だからと言って今年、古典回帰に走る気はないけれど(大概そういうのって、来場者が多いのだよ…)。

さて今年はどこ行こうかなぁ。何かオススメがありましたら教えてください。




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