孤独なひとのためのツール

東京に移ってきた当初からおつきあいのある方から、先日電話あり。

「携帯にかけたけど不在だったんで、固定電話にかけたのよ」
着信音や通知音がなると、けっこう煩いのでならない設定にしてるせいだ。

そのひとは70代。数年前に夫さんを亡くされてひとりぐらし。
息子さんがいるようだけど離れて暮らしている。

「午前中はね、けっこうアレコレ忙しくしてるの。でもお昼食べてからしばらくすると、寂しくなってきちゃって」

お子さんいてもそうなのかしら。
まぁ息子さんだと電話しにくそう。

「ムスメを生んでおいてよかったって思うわ」
何気ない親のつぶやきを数回耳にしたことがある。

「特に用事があるわけじゃないんだけど、声が聴きたくて電話したのよ」
ムスメだと親も気軽に電話しやすいのだろう。

そのひとも特に用事があって電話してきたわけではなくて。
よもやま話、small talkがだれかとしたかった風。

最近は友人たちとの連絡もメールやSNS中心で、電話というのは皆無に等しい。

ZOOMの話も出たけれど、そのひとはガラケー携帯しか持っていないので、
「とてもじゃないけどZOOMの操作なんて無理」

わたしはPCやスマホが使えるので、日常で特に孤独を感じない。
電話くらいしか連絡ツールがないという世代は・・・相手が出てくれない限り、だれかとつながる機会が徐々に減っていき、孤独感も増していくのだろうか。

手紙やはがきという手段もあるものの、「終活の一環として、来年からは年賀状のやりとりも卒業させていただきます」なんてお知らせが来るようになったし。

「わたしはここにいて、だれかと話したい」アピールするのに、一番のツールは電話なのだろうか。耳が悪くなったら困るけれどね、わたしの親のように。

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