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中学高校での会計教育~会計士と教師の連携~

今日はクライアント先でのお仕事ですが、ちょっと早めにでてカフェでブログを書いてみています。こういうのも気分転換にはいいですね。

さて、私が関心を持っている会計教育について今日は触れていきたいと思います。

学習指導要領における会計の位置づけ


皆様は、学習指導要領をご覧になったことはありますか?私は人生の中で恥ずかしながらただの一度もありませんでした(笑)

会計を身近に知ってもらうためにはやはり教育だろう、ということで学習指導要領がどうなっているかを調べてみました。長文なので、太字のところだけを見ていただければ大丈夫です。

まず中学校。

 企業の経済活動における役割と責任は,企業は利潤(利益)を追求するとともに人々が必要とする安全で安心な財やサービスを生産することや,公正な経済活動を行うこと,また,その際企業は雇用の安定や福利厚生など雇用に伴う責任を果たすとともに,環境への配慮や社会貢献に関する活動を行っていることなどについて多面的・多角的に考察し,表現できるようにすることを意味している。起業について触れるとともに,経済活動や起業などを支える金融などの働きについて取り扱うこと(内容の取扱い)については,少子高齢化,情報化,グローバル化など社会の変化に伴って,今後新たな発想や構想に基づいて財やサービスを創造することの必要性が一層生じることが予想される中で,社会に必要な様々な形態の起業を行うことの必要性に触れること,経済活動や起業などを支える金融などの働きが重要であることについて取り扱うことを意味している。
 その際,効率と公正などに着目したり関連付けたりして,これまで我が国の経済活動を支えてきた個人や企業の取組を受け継ぎつつ,今後様々な形態の起業が市場の拡大や多様化を促し,新たな雇用を創出することが予測されていることについて多面的・多角的に考察し,表現できるようにすることが大切である。また,資金の流れや企業の経営の状況などを表す企業会計の意味を考察することを通して,企業を経営したり支えたりすることへの関心を高めるとともに,利害関係者への適正な会計情報の提供及び提供された会計情報の活用が求められていること,これらの会計情報の提供や活用により,公正な環境の下での法令等に則った財やサービスの創造が確保される仕組みとなっていることを理解できるようにすることも大切である。

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_003.pdf
中学校学習指導要領 解説〔社会編〕

そして高校。

公共
 金融の働き…に関わる具体的な主題については,例えば,起業のための資金はどのようにすれば確保できるか,中央銀行はデフレーションに対処するためにどのような政策がとれるか,といった,具体的な問いを設け主題を追究したり解決したりするための題材となるものである。
 その際,例えば,資金を必要とする企業は銀行などからの借入によるだけではなく,株式や社債の発行によっても資金調達ができること,経営者と投資家などとの間には企業の経営状況に関わる情報の保有量や質に差が存在することから,企業には法に基づく適正な手続きに則った企業会計に関わる情報の開示が求められており,会計情報の提供や活用により,公正な環境の下での法令等に則った財やサービスの創造が確保される仕組みになっていること,中央銀行は政策金利を引き下げたり,市場に供給する資金量を増やしたりしてデフレーションに対処していることなどの観点から多面的・多角的に考察,構想し,表現できるようにすることが考えられる。なお,その際,企業の会計情報の活用などにより,企業を経営したり支えたりすることへの関心を高めることができるよう,指導を工夫することも考えられる。

政治・経済
 金融を通した経済活動の活性化について多面的・多角的に考察,構想し,表現することについては,以下のように捉えることができる。金融は個人の資産形成に関係する活動だけでなく,家計や企業からの資金を様々な経済主体に投資することで資本を増加させ,生産性を高め,社会を豊かに発展させる役割を担っている。このような金融を通した経済活動の活性化の仕組みや在り方を多面的・多角的に考察,構想し,表現できるようにすることが求められている。
 その際,例えば,資金に余裕のある家計が,幾つかの投資計画のうちどれを選択すればよいかを協働して考察し,評価することが考えられる。また,例えば,経済活動を活性化させるための中央銀行の金融政策はどうあるべきかを,中央銀行の政策委員会の委員になったつもりで考察,構想するなどの模擬的な活動を取り入れることも考えられる。
 なお,「金融を通した経済活動の活性化については,金融に関する技術変革と企業経営に関する金融の役割にも触れること」(内容の取扱い)が必要である。
 金融に関する技術変革については,フィンテックと呼ばれる IoT,ビッグデータ,人工知能といった技術を使った革新的な金融サービスを提供する動きや,仮想通貨など多様な支払・決済手段の普及などによる国民経済,家計,企業への影響について理解できるようにすることが求められる。
 また,企業経営に関する金融の役割に関しては,現代における株式会社の仕組みと特色,企業統治や企業の社会的な責任などについての理解を基に,企業経営で必要な資金は,直接もしくは間接に金融市場から調達していることに関して,企業会計の役割と関連付けて理解できるようにすることが大切である。
 
その際,例えば,株式や社債の発行による資金調達が証券市場など金融市場の動向と関連していることを,企業の会計情報などを活用し,模擬的な活動を通して理解できるようにするとともに,企業を経営したり支えたりすることへの関心を高めることが考えられる。また,例えば,起業に際して,どのように資金を調達すればよいか,起業の企画案と資金調達を企業側と資金提供側に分かれて企業経営と金融との関係を具体的に理解できるようにすることも考えられる。

https://www.mext.go.jp/content/20211102-mxt_kyoiku02-100002620_04.pdf
高等学校学習指導要領 解説〔公民編〕

いずれも会計への理解を通した企業や金融の役割の理解、そして企業の会計活動の活用から会計への関心を高めることなどがうたわれていますね。

そもそも会計とは何なのか、なぜ必要なのか、なければどうなってしまうのか、これがわからないと会計への興味関心も持ちようがありません。

非常に大切な取り組みなのですが、これを現場の学校の先生だけで取り仕切るのはさすがに無理があります。そこで専門家である公認会計士の出番というわけですね。

公認会計士×学校教師のタッグ


これに関して2021年9月に、日本公認会計士協会と学校教師の方々がコラボして、「『会計情報の活用』授業支援パッケージ」というものが公表されています。

会計のプロである公認会計士・教えることの専門家である学校教師が手を取り合って、少しでも会計に関心を持ってもらおうという取り組みの一環です。

以下の動画でパネルディスカッションが行われていますので、このパッケージが作成された趣旨などはそちらをご覧ください。52:35~あたりからです。


私自身はどう活動していくか


私も何かこういった分野で取り組めることはないかな、と色々思案しているところです。

少なくともやはり現場に触れないことには実際のところを知ることはできませんよね。

まだ何も決まっていないところではありますが、画策していることはあるので、おいおいここでも書いていきますね。

1つ気になったのは、さきほどの動画の中で会計に関する成り立ち・歴史に関しては特段触れられていないように思われたことです。資料を読み込めばあったのかもしれませんが。

何事も関心を持ってもらうには、なぜそのような仕組みが生まれたかという過去の経緯がを知る必要があります。必要がなければ作られませんからね。

そういったところをカバーしていけばより会計に関心を持ってもらえる人口が増えるんじゃないかなと思いますので、まずは私自身がしっかりと勉強していきたいと思います。

~編集後記~
・ペン字
・今月月初から月次決算支援のためクライアントを訪問中
・CPD ONLINEで「東京会「IPOスキルアップ講座(第3回)」上場会社にふさわしい事業基盤の構築指導」を受講
・新しい爪とぎが来たのでご満悦なうちの猫

わざわざ新調してもらってすまんね(なみ)



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