行動を変えたいならメタ認知をせよ
会計士のような専門的職業の方ほど大事になるのが「信頼」を得ることです。
「信頼」のない人から何を言われたって説得力なんてありませんよね。
年次の高い人であれば、部下の方がついてきてくれるかどうかは「信頼されているかどうか」が大きく影響してきます。
では信頼を得るためにはどうすればよいかというと、まず自分が人に信頼されるような行動をとっているか、ということを振り返る必要があります。
人の話にきちんと耳を傾ける
相手の立場に立って物事を考える
感謝の言葉を伝えている
愛情をもって接している
などなど。
これらはいずれも、その人自身の行動にかかわる内容です。自分の行動が変わらないのに周りの人に信頼してもらおうなんて、そんな虫のいい話はありません。すべては自分発信です。
とはいえ、行動はそう簡単には変わりません。そこにはいくつかの障害があります。
その障害を乗り越えるヒントとなるのが「メタ認知」です。
このことに関し、日本経営心理士協会代表理事であり公認会計士・税理士・心理カウンセラーの藤田耕司氏の講義で紹介されていたので、こちらでシェアしてみようと思います。
なお、編集後記に本日18時期限のパブリックコメントを紹介してあります。日本国民全員にかかわる重大な話ですので、ぜひご参加ください。
「メタ認知」とは?
「メタ認知」とは、「自己の認知のあり方に対して、それをさらに認知すること」を指します(Wikipediaより)。
難しい言い回しをしていますが、言い換えると「今自分は喜んでいるな」「今自分は起こっているな」「今楽しいと感じているな」と、自分の認識を第三者の視点から客観的に観察することです。
ゲームをやられている方などは「メタ視点」という言葉がありますよね。主人公目線ではなく、ゲームのプレイヤー目線からシナリオを洞察していくやり方です。
行動を阻害する要因
さて、ここで行動を起こしたくても起こせないその要因を探っていきましょう。
皆様は、読書やセミナーの受講などを通して、「この考え方は参考になるな。今度から仕事や実生活でも取り入れてみよう」と決意した経験はありませんか?
自分に役に立つ知識や経験を得た直後はモチベーションも上がっているので、やる気に満ち溢れた状態が出来上がっています。
しかし時間がたって、いざ実践してみようという段階になると、なぜか行動に起こせていない自分がいることに気がつくことも多いと思います。というか、そのような人が大半です。
その際の思考回路として、以下のような発想がわいてきてはいないでしょうか。
やろうとは思ったものの、いざやるとなるとエネルギーも使うしめんどくさいな
急に行動が変わると周りから「どうしちゃったんですか、○○さん?」と言われるのはなんだか照れくさいな
表現は様々とは思いますが、おおむねこの「めんどくさい」「照れくさい」の2つにカテゴライズされると言われています。
この2つはとても厄介で、この障害を乗り越えない限りはいつまでたっても行動を変えることができない、ひいては信頼を獲得することができないわけです。
メタ認知による自分との対話
ここで役に立つのが、先ほどのメタ認知です。
もしあなたが何か行動を起こそうとして、この「めんどくさい」「照れくさい」という感情がわいてきたら、このように認識してみてください。
あ、「めんどくさい」と感じた自分がいるな
いま自分は「照れくさい」と思ったな
このように自分の感じたことを客観的にとらえることで、いったん冷静に物事を考えることができるようになります。
そのうえで、そのように感じた自分と対話しながら、どんな小さなことでもいいので、行動してみるようにしてください。
本を1ページだけ読むでも、机の周りを1つ片づけるでも、外を5分散歩するでも、出社したら人と軽く会釈するでも、どんな些細なことでも構いません。確実にこれなら実行できる、という行動をとることが大事です。
そしてそれを実行したなら、その自分をほめるようにしてください。
そうすることで、自分の中に成功体験が1つ積みあがります。
人は、成功体験を積み上げることで自信につながり、次の行動を起こしやすくなるものです。
これを継続することで行動が変わり、それが習慣となって、むしろやらないと気持ち悪い、というまでになります。
ひいては周りにもそれが伝わって、信頼の獲得につなげることができます。
行動しようとする→わいてきた感情とメタ認知を利用して対話する→達成できた行動をほめる→次の行動につなげる→…
このサイクルが出来上がればしめたものです。
いつしか周りには自分を信頼してくれる人たちが集まるようになる、という藤田氏の講義でした。
もちろん信頼を獲得したら、それに応えるだけの付加価値を提供することが必要ですので、そのための行動も起こすことも忘れずに。
~編集後記~
・PMIの実施プロセス 木俣貴光 編著 三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱ 著 復習
・体調も何とか回復したので妻のダンス発表会に応援に。
・看過できないパブリックコメントがあったので意見提出。本日18時提出期限なので、ぜひご検討ください。
・撫でられて至福の時を過ごす猫
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