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空の色

私の所属している
しののめ短歌会 の
2022年6月定例会の中で、
前述の
「桔梗色の空」
の話題が出たのですが、
同人の彼 (彼の名前は後述する) は、
「秋の夜」
の事だと聞いた様で…
それは、
どうしてかと
鈴木竹志 講師との質疑応答があった中で…

どうやら
宮澤賢治の
「銀河鉄道の夜」
の中で
「桔梗色の空」
が出てくるらしいと…
そこまで突き止めて…
何故…その表現になったのかまでは分からないと…

そこで、
やり取りが終わってしまっていたので…
聴いていた私は、
そこで終わってしまってはと、
その理由まで突き詰めたくなる訳です。

さて、
「桔梗色の空」
の謎解きに入る前に
今回の投稿するに至った
歌友である
金澤哲也 君の
歌を1首紹介したい。

秋の夜を桔梗と例う文恋し 今夜も寝床で朗読を聴く

どうやらこの歌を詠んだ段階では、
「銀河鉄道の夜」の朗読をしていた事には気付かなかったらしい。
後で気付いても、
敢えて詠んだ歌に手を加えなかったのは、
その時の新鮮な気持ちを大切にしたかったのだろうと推察する。

さて謎解きに入ろう。

「銀河鉄道の夜」では、
桔梗色の空 以外にも空の色の表現がされているのだが、
桔梗色の空 が他の空の色よりも多用されているのだ。
それも4回も。

銀河鉄道の夜に限らず…
宮澤賢治の著作には、
心揺さぶるものが多いのだが…
関連作にも触れると収拾がつかなくなる為、
今回は
桔梗色の空 に的を絞って現段階で推察し得る背景を読み解きたい。

宮澤賢治 氏は、
岩手県花巻市 生まれ。
「銀河鉄道の夜」の
初稿(第1次稿)が1924年執筆である事から
彼の実妹 宮澤トシの死が、
この作品執筆や成立に大きな影響を及ぼしているのは間違いないだろう。

そして、
法華経への傾倒、
キリスト教への造詣等も
今回の独特な色彩表現への影響があるのではとも考えられる。

ここで、
桔梗の英語名はご存知だろうか?
桔梗の花の形が鐘に似ている事から
bell flower
と言われている。

あと、
妹を喪った事への慟哭と
救済への祈りが、
ない交ぜになった色合いだと思うのだ。

日本仏教での高僧が着る袈裟の色に紫があるのだが、
その影響もあろうか。

気になる点はまだまだあるが…
謎解きの楽しみの続きはとっておこうと思う。

まずは、コメントやコラボをよろしくお願い致します。 あと、ラジオ番組も聴いてくださいね。