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USB充電器のお話

【USB充電器は「電池を充電していない」】
私たちがスマホの充電などをする、普段「充電器」と呼んでいるものは、実は「充電器」ではない。「充電回路」を含んだ「充電器の本体」は、スマホの中にある。充電中や放電中(「電池を使用中」と言うのを、電池側から言うとこうなります)に電池が高温になった場合、その充電や放電を一時的に止めたり、制限したりする機能、充電していて90%など、満充電に近くなるまでは「急速充電」し、90%を超えると、電池に負荷をかけない「ゆっくり充電」に切り替える機能、その他、なんらかの異常事態を検知すると、充電や放電を止める機能、放電の中途で充電しても、電池ができるだけ長持ちするようにする機能、など、様々な機能が「スマホ内の充電器」には詰まっている。そして、私たちがコネクタなどで電源からスマホにつなぐ「あの機器」は「スマホ内の充電器に電源を供給する機器」なのだ。簡単に言えば「電源」だ、ってことだね。つまり「USBの口を持った電源」が、私たちが普段「充電器」と呼んでいるものであって、電池に充電している充電器そのものではない、ってことです。

【「USBの本業」はデータ通信】
しかし、このPCから始まった「USB」は、これを通して、本来はデータのやり取りをするのが「本業」なんだな。外付けのハードディスクはPCにUSBでつなげる。カメラやマイクなども、USBを通して、データのやり取りをする。しかし、データ通信を行うUSBで通信を行う機器にも「電源」が必要だ。そこで、USBには「電源」も「おまけ」として付けたんですね。これがかなり便利なので、今はスマホとかタブレットの充電器に電源を供給するのに、使われるようになった、ってことだね。外付けハードディスクは、USB接続だけで動くのは、そのためだね。本来は電源は別にハードディスクに供給しないといけないわけだからね。

【「USBの副業」が本業に】
つまり、「電源供給」は、USBの副業だったわけだが、スマホの普及で多くのスマホがUSBでの充電ができるようにしていて、いつのまにか「副業」が「本業」のようになっている、というのが現状なんだな。僕もいっぱいUSB充電器を使ってますよ。細かいことを言えば、USBのコネクタで供給できる「電源容量」は決まっていて、当然、その電力以上の電気が通ることはUSBの規格上、考えられていない。これはUSBの規格毎に違っているが、ここからはかなり細かい話なので、ここでは割愛するけれども。

【「USB充電器」には種類がある】
「USB充電器」は、様々な規格がある。充電されるスマホとかタブレットなどによって「USB充電器」も合わせなければならない。この話もすると長くなる。今はUSB端子も多くの規格がある。これも語れば長くなる。「USB充電器」には、ノートPCを充電するものもあるし、スマホ充電専用のものもある。当然、PCの充電には大きな電力が必要だが、スマホの充電に使われる電力は少なくて済む。ワイヤレスイヤホンなど電池が小さいものはさらに少ない電力でOK。「USB充電器」だけを買うときは、できればお店の人に充電される機器を見せるか教えるかして、最適なものを選ぶ必要がある、ってことですね。

【USB充電器には「質」もある】
実は「USB充電器」(くどいようだが、実際は「USB電源」である)には「質」もある。一般的に値段の高いUSB電源のほうが、値段の安いUSB電源より電源の「質」が良い。では「電源の質」とはなにか?どんな場面でその「質」が気になるのか?

【USB電源の質が気になる場合1】
ごく稀にあることではあるが、USB電源を外しているときは正常に動くアプリが、USB電源を付けながら動かすと、おかしな動作をする、ということがある。経験がある方もいるのではないだろうか?

【USB電源の質が気になる場合2】
たとえば、スマホのUSB端子にUSB用イヤホンやスピーカーを付けると良い音で聞けるのに、USB端子にハブをつなぎ、そのハブにUSB経由でスマホ本体に電源を供給しながら、同じハブでイヤホンをつけて音楽を聞くと、音楽にノイズが乗る、ということがある。これは「USB電源のせい」であることが多い。

【「USB電源の質」とは?】
「USB電源の質」とは、「電源供給と同時にどのくらいの雑音が電源に乗るか?」である。この「雑音(ノイズ)」が大きいと、スマホの誤動作、音楽を聞くときの音質の低下があることが多い。一般的に「供給できる電源容量の大きいUSB電源」は、雑音が低い。反対に「供給できる電源容量の小さいUSB電源」は、雑音が大きく、音質の低下、誤動作などを起こすことが多い。これも、話せば長くなる(専門的な話)ので、ここでは語らない。

【ごく簡単な結論】
ということで、ごく簡単な結論は「スマホ用のUSB電源(充電器)」は、できるだけ容量の大きなものを買おう。ってことになる。特に、オーディオで「音にうるさい」と自認している人は、よりノイズの少ない音楽が聞けるので、幸せになれる。



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