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「陰謀論」が生まれる環境とは

【「陰謀論」の底にあるもの】
前にも、陰謀論について書いたが、「陰謀論」はなぜ生まれるのか?と、再度その根底に流れるものを考えてみた。なぜかというと、陰謀論が最近はあまりに多く、どこでもそれがある、ということは、なにか人が置かれている環境に、なにかがあるのではないか?と考えたからだ。

【「自分がわからない」場合】
世の中には「自分でいくら考えてもわからないこと」がある。そんなとき「陰謀論者」はモノを考える前提として「世の中に起こることは全てがわかっていること」という前提がある。その前提で物事を見ると「自分が納得行かないこと(なぜそれがわからないかが、わからないこと)は、

1.自分には事実が隠されているから。

ということになる。世の中のことは、全てわかっていることで、自分がわからないのは、自分にそれが隠されているからだ、と思うんだね。「あなたがわかることが、自分にわからないことなんてないはずだ。自分がわからないのは、あなたが隠しているからだ」なぜならば、あなたとわたしは同じ人間だからだ。と、そう考えるんだな。つまり人は能力もなにもかも、平等に産まれているはずだからだ、と、思うんだな。

決して、

2.自分に理解する力がないから
 (あなたと比べて自分がバカだから)。

とも、

3.世の中のどこででもわかっていないことだから
 (人間全部がバカだから)。


とも、考えない。

そういう「答え」が用意されていない、ということだね。

【自分がバカな場合ってあるよ】
「2.自分がバカな場合」でも、恥じることはない。勉強することでバカは治ることがある。勉強するのが嫌だ、ということだったら、いつまで経ってもわからないままだけどね。それだって、バカはバカでもいいよ、ってことだってある。Wikipedia読んだだけじゃわからなくて、数十年それ一筋でやって、やっと分かることもあるんだしね。「わからないことは恥ではない」。ある場合は不利益なことがあるかも知れないけれども。っていうことで。

【人間全部がバカな場合もあるよね】
「3.人間全部が専門家も含めてバカだから」という場合だってある。コロナなんかに対する知識は、短い間になにかがわかるだけの研究成果が得られていないのだから、専門家だってわかっていないことが多いに決まっている。「わからない」から「研究」して、なんとか知ろうとするのだしね。人間が世界の全部をわかっている、ということはない。人間自身のことだって、わかっていないことが多いんだから。人間ってたいしたことない。

【知れば知るほどわからなくなる、ってこともある】
「知れば知るほどわからないことが増えていく」っていう「無知の知」って、人間として最高の知性を持つと言われた人が言った、って言葉だ。

【つまり陰謀論っていうのは】
つまり「陰謀論」というのは、自分がわからないものに対する、ある「態度」のことなんでしょうね。その行儀の悪いのを「陰謀論」って言うんだろうな、って思うわけです。

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