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ネット上で「他の人」になろう。

【最近のネット利用で驚いた!】
という人がいた。ある日、その人は会社の昼休みに、同僚のスマホを覗いたら、自分とはまるで違う検索結果画面が出ているのに驚いた、という。だから「XXというキーワードでGoolgeで検索して上から3番めのあれ」と電話などで伝えても、伝えたその人は自分と同じ検索結果ではないから、同じものを見ることになるとは限らない。いや、ほとんどの場合、違うものを見ることになる。

【ネットでは個人の好みを集計して。。。】
インターネットの現在の広告、検索の仕組みは単純ではない。非常に複雑なしくみだ。この仕組は、個人個人の情報を個人毎に持っていて「あぁ、この人はスキーのことを調べることがい多いから、スキーに興味があるんだな」というのを知っている。また、「この人はスキーでもスキー場についての情報を調べることが多く、スキーの道具については比較的検索が少ないから、スキー場の情報を多く知りたがっているんだな」というところまで、掘り下げて情報を持っている。だから、同じ検索キーワードで検索をする同じスキー好きでも「Aさんにはlスキー場情報」をより多く検索結果に出し「Bさんにはスキー用品の情報」をより多く検索結果に出す。検索結果の順位も変える。こういう仕組みになっている。

【「あなた」はブラウザやアプリにいる?】
あなたの検索などの行動の好みはあなたのPCやスマートフォンのブラウザやアプリが覚えている(より正確にはその背後にあるオンライン上のデータベースにある)。「そいつ」は、あなたが今まで何を買ったか?何を欲しいと思ったか?どんな情報を求めているか?から、あなたと言う人は「男性で年齢は45歳、日本の東京に在住している。仕事はXXで趣味はXX(こういう仮想化された人格をペルソナと言う)」とか、それ以上の情報を持っている。そして、その情報に基いて、あなたがなにかを検索したとき、あるいはアプリのボタンを押したときに表示する「結果」を個人個人で変えている。

【ネット上であなたは「檻の中」にいる】
この仕組では「そいつ」があなたが見る情報をいつもフィルタして、あなたに見せる情報を制限している、とも言える。しかし、スキー場に行けば、そこに行く途中で美味しいイタリア料理をたまには食べたい、と思っても、気がつけばスキー場の情報ばかりが出る。時々は「他人のフリして全く違う世界に行きたい」と思うが、それは同じアプリや同じブラウザを使っている以上、そうはさせてくれない。あなたは知らないうちに「檻の中」にいるのだ。

【「ネットの檻」から出て「他人」になる】
そこで、最初に戻るのだが、他人のスマホやPCでの検索結果を見て、自分の検索結果とまるで違うのを見て、ある日、あなたは驚くのだ。ときどきは、自分の好みではない「檻の外」に出たくはないだろうか?いや、出たほうがもっと面白い人生が送れるのではないだろうか?そう考えたことはないだろうか?同じスマホ、同じPC、同じブラウザ、同じアプリを使っている以上、あなたは「檻の中」から出ることはない。そろそろ「檻の中」から出てみたら?ってことですね。

【簡単に「他人」になる方法】
右を見ても、左を見ても、上を見ても、下を見ても、あなたがお金を出しそうなものの情報があふれていて、その独房の中にあなたはいる。それがわかれば、新しい空気を吸いにあなたは「他人」になって、その独房から出たいと思うだろう。独房から出る簡単な方法はある。PCであれば複数のブラウザを使い分けることだ。例えばFirefoxではスキー場の情報を得るのに使うが、Chromeでは仕事の情報を得る。Operaではゲームの情報を得て。。。と、やるのだ。(実はマニアックな選択にはなるが、中には、あなたの情報を取れないように細工したブラウザもあるし、個人情報取得の仕組を無効化するブラウザや、あなたの個人情報を偽って知らせることができるブラウザの使い方もある) PC用のブラウザのほとんどは無料でダウンロードして、複数を同時に立ち上げて並行で使えるので、この方法がお勧めだ。同様のことは、スマホでもできる。また、同じ目的を達することができる2つ以上のアプリを使う、ということもできる。また、できることなら、ブラウザ毎に違うIDを登録しよう。

ところで、このやり方は別に法律とは関係ない「使い方」の話なので、適法とか、違法とか、そういうことではない。仕事の営業車には会社のバンを使うが、出勤時には自分の乗用車を使い、休日には趣味のバイクに乗る、というようなものだ。安心して複数のブラウザを使おう。

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