5Gは「ミリ波」を狙え(2023年10月追記)
【5Gなら「ミリ波対応」】
実は新しい時代のスマホなどの通信規格でもう耳にタコができるくらい、あちこちで聞かされている「5G」だが、その爆速と言われている通信スピードをフルに出し、さらに渋谷のハチ公前広場金曜日夕方6時のようなシチュエーションでもつながりにくくなることがない、という「最高の効果」を得るには、「5G」に使われている周波数のうちで一番高い「ミリ波(日本では28GHz)」で接続がされている必要がある。
【5Gミリ波だけではなく】
さらに、この5Gのハイスピードは、あくまでスマホと基地局の間の話である。その先、基地局からインターネットを通って、動画などを置いてあるサーバーに至るまでの間に、一箇所でもスピードが遅いところを通ったら、その遅いスピードが「最高スピード」になってしまう。だから、インターネットもサーバーも5Gのスピードに見合ったハイスピードのものにする必要がある。そうしないと、いくら最高速度が速い道路でも、それがどこか一箇所でも渋滞しているようなもので、表示通りのスピードが出ない。
【とりあえず5Gスマホは「ミリ波対応」を買おう】
インターネットの速度やサーバーの速度を5G対応にするにはそれなりの設備でないともちろんスピードは出ない。しかもそれをあなたが指示してできることでもない。しかし、インターネットやサーバーがちゃんと対応していてくれさえすればいいのだ。あなたが「スピードで見たらスマホは5Gがいい」と思うのであれば、まずは「5Gミリ波対応スマートフォン」は必須だ。
【現在のiPhoneはミリ波対応していない】
そこで、ミリ波対応しているスマホを調べると、まずこの原稿執筆時点で最新のiPhone12シリーズはミリ波(日本の28GHz)には対応していないのがわかる。(追記:2021年9月15日発表のiPhone13も、ミリ波対応はしていない)。
【Androidは5Gミリ波対応しているものがある】
そこで「どうしても今、爆速ミリ波体験がしたい!」となると、Androidになってしまう。docomoやau、ソフトバンクなどのキャリアで扱っているAndroidスマホでも、ミリ波対応しているものとそうでないものがあるので、しっかり調べてから買うのが良い。
【例えばdocomoなら】
5Gでは一歩先を行っていると言われているdocomoの機種では、国産メーカーの富士通の「arrows 5G」、韓国SAMSUNGの「Galaxy S21 Ultra 5G」などはミリ波5G対応だが、同じ5G対応機種でも、SHARPのAQUOS sense5Gはミリ波5Gには対応していない、など、ミリ波5Gを使いたい場合は、気をつけて機種を選ぶ必要がある。単に「5G」とついている機種でも、ミリ波対応していないものがあるのだ。このあたりは各機種の詳細スペック「対応周波数詳細」という項目を調べる必要がある。この項目に「n257」というのに対応しているのが「ミリ波対応機」ということになる。
これからの5Gスマホ選びには、「ミリ波対応か否か」は一つの目安になるだろう。もちろんキャリアはどのメーカーのどの機種も売りたいので、ミリ波対応しているか否かを問わず「5G」として売っているから、買う方は気になる方は注意して買おう。もちろん、5Gはそれに対応した基地局の範囲内にいなければ5Gでは接続されないのは言うまでもない。
5G爆速体験は「ミリ波」で。
【2023年10月追記】
ところで、今月発表されたGoogle Pixel 8 proでは、ミリ波5Gが無い。代わりに、n79というdocomo独特と言っていい5Gの周波数が使える様になっている。世界的にこの辺りの周波数はn78を使うことが多いのだが、docomoだけはn79をより多く使うため、日本で販売されているPixel 8 proは、あまりdocomoで使われないミリ波ではなく、n79を代わりに搭載したモデムを採用したのだろう。実際、ミリ波5Gの特許の重要な部分の多くは中国企業が持っており、政治的な配慮も一緒に働いたのかもしれない、と私は勝手に想像している。そのため、Pixelシリーズはn79を採用した「Pixel 6a」から後に日本で発表された機種は、n79対応・ミリ波非対応となり、更にdocomoのラインにも採用される事になったのではないかと想像している。
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