もし、自分がソーシャルセクターに転職をするなら、読んでおきたいこと
2017年の初夏、NPO法人ETIC.に転職してきて早2年半が経ちました。(転職前は小さなIT企業に勤めていました)普段は、DRIVEキャリアという求人サイトの事務局をしています。
ざっくり言うと、「社会貢献を仕事にしたい!」という方々と、人を採用したいNPOや社会的企業をつなぐお仕事です。
この仕事を始めてまだ2年半ではありますし、偉そうなことは何も言えないのですが、この仕事を始めてから気づいたことがいくつもあります。
●ビジネスセクター(民間企業)への転職とソーシャルセクター(NPO、社会的企業)への転職、何が違う?
●もし、今、自分が転職するなら、どんなことに気をつける?
そんなことを、2019年の年が変わる前にまとめてみたいと思います。
民間企業とNPOの違いについて(※注:個人的所感です)
私は、今現在は、NPOで働いていますが前職は一般企業でした。働いていると両者の違いはさほど感じません。NPOだって売上も意識しますし、一般企業に勤めていた時だって社会のために、ということは考えていました。
ただ、「自分は何のためにこの仕事をやっているのか」「自分の仕事がどう社会につながっているのか」という意識は、NPOに勤めている今の方が圧倒的に強いし、分かりやすいです。
時に、売上を上げることよりも「自分たちの仕事は、本当に社会の役に立っているか」が重視されるところが、民間企業とソーシャルセクターの大きな違いの一つ、ではないでしょうか。(個々の企業・団体によってケースバイケースですが)
だから、という訳ではないと思いますが、NPO職員の給与は、民間企業のそれと比較すると、おしなべて低めです。私はDRIVEキャリアの求人案件に慣れ親しんでいるので、たまによその転職サイトを見ると、「めっちゃ給料高い!!」と目玉が飛び出ることがあります(笑)
高い給料は払えないし、福利厚生などの条件も恵まれている訳ではない。終身雇用(死語?)のような安定した将来を約束できる訳でもない。そんな職場環境で、イキイキと働いてくれる人は、どんな人か?を考えると、ソーシャルセクターの転職で重要視されることが、おのずと見えてきます。
ソーシャルセクターへの転職で、最重要視されること
ずばり、「ミッション・ビジョンへの共感」です。
知ってるよ、って?改めて書くまでもないかもしれません。でも、私は、想像以上でした。どんなに優秀であっても、「ミッション・ビジョンへの共感」がなければ不採用になることもあります。そして、給与が高いポジションほど、より強い共感度合いが求められるように感じます。
もし、ソーシャルセクターへの転職を考えるなら、
●どういう「きっかけ」で、その社会課題に興味を持ったのか?
●どんな理由で興味を持ったのか?
という自己分析的な問いは、もちろん整理した方がいいです。そして、どれだけ共感度合いが高いか、ということを、ちゃんと相手に伝えるために
●その社会課題に取り組んでいる他の団体も調べる
●社会課題が起きている背景についても、自分なりに調べる
●ボランティアでも、勉強会でもいいので、何らかのアクションを起こす
ということを、やってみるといいと思います。それは、採用側に伝えるために、という側面もありますが、自分の「やりたい事」の解像度を上げるため、でもあります。
漠然と「障がい者支援をやりたい」と思っているのと、実際に現場でボランティアとして携わるのとでは、見える世界が変わるはずです。自分が何に情熱が掻き立てられるのか、が分かったり、課題が見えたり、自分の向き不向きにも気づくかもしれません。それらを分かった上で、話す言葉は自然と力がこもりますし、必ず伝わります。
もし、今、自分が転職するなら、求人企業の「ここ」を見る!
ETIC.で働いて思うことは、この団体のカルチャーがとても合っているということです。(カルチャーって日本語で書くと何ていうんでしょうね・・直訳なら文化、ですが、団体の持つ”性格””価値観”みたいな感じです)とにかく働いていて違和感が何もない。無理して何かに合わせようとする感覚が一切ないのです。
自分がその組織のカルチャーに合っているかどうか、は、働く上でとても大切だと実感しています。
人に性格があるように、組織にも性格があります。何を大切にしているか、は、びっくりするくらい組織ごとに異なるのです。「挨拶できなきゃ話にならない!」というところもあれば、「挨拶は別にどうでもいいから、仕事が早い方がいい」というところもあります。自分の大切にしている価値観や向き不向きが、組織のカルチャーと違ってしまうと、思うように力が発揮できません。
求職者が応募企業の組織文化を入職前に読み解くのはなかなか難しいですが、もし、今自分が転職するなら、説明会に参加する、ボランティアやインターンをやってみる、その団体の人のSNSをチェックする、などでどんなことを大切にしている組織なのか、は読み解こうと努力すると思います。
また、求職者は分からなくても、採用側は、応募者が自社に合っているかどうかはジャッジするはずです。
採用側に、ちゃんと自分を分かってもらうためにも、自分がどんなことを大切にして生きてきて、どんな性格で、どんな得意不得意があるのか、ということは、自分で分かっておいた方がいいと思います。お見合いと一緒ですね。
「個別キャリア相談」をお役立てください
宣伝かい!と言われそうですが、自社のプログラムをご案内させてください。(ちなみに無料です!)
ETIC.では、「個別キャリア相談」というETIC.コーディネーターにキャリア相談できるプログラムを用意しています。一番多い相談は、「今は会社に勤めているけれど、ソーシャルセクターへの転職を考えたいので相談に乗って欲しい」というもの。その他にも新卒の学生さんの相談や、起業相談など多種多様なお悩みが寄せられています。
上段で長々とソーシャルセクターへの転職希望者に伝えたいこと、を書いてきましたが、「個別キャリア相談」は、こんなにことにお役立ちできます。
●組織のカルチャーをお伝えすることができます。
DRIVEキャリアに掲載している企業の多くは、ETIC.と懇意にしている企業さんです。「この団体が気になるのですが、どんなカルチャーですか?」と聞いていただければ、分かる範囲でお答えいたします。(すべての企業・団体さまのことが分かる訳ではないので、その点はご了承ください)
●自分を知るための「壁打ち」になります。
自分のことを正確に知るのは難しいものです。自分ひとりで考えていると、自分の思考の癖にはまって、自分を客観視することが難しくなりがちです。ETIC.コーディネーターの多くが、コーチングの研修を受けています。あなたの情熱の源がどこにあるのか、どこに心が動くのか、どんな選択がよりあなたらしさを発揮できるのか、耳を傾け、真摯に向き合います。
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