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感情に飲まれず、自分の望む結果を手に入れるには?

「お久しぶりです、お元気ですか。実は、貴子さんにお礼を言いたいことがあって」

電話越しに聞く懐かしい声に、思わずテンションが上がります。電話の相手は、2年前、とあるプロジェクトに一緒に取り組んだ方。連絡をとるのは1年ぶりくらい。

「私、あの時のプロジェクトの打ち合わせでzoomを初めて知ったんです。全然そういうの分からなくて。でも、あの時に使った経験のおかげで、このコロナ禍ですごく助けられたんです。だから、貴子さんにどうしてもお礼が言いたくて。本当にありがとうございました」

ありがとうございました、なんて言いたいのはこちらの方です。
私、こんな風にできるだろうか、と思ったのですよね。
連絡をとるのが久しぶりの人に、こんな風に電話で感謝を伝えられるだろうか、と。

思い返せば、もう1人いました。
息子の幼稚園の同級生のお母さん。彼女の息子さんが、
「●●(うちの息子)のおかげで、幼稚園楽しかった」
と、彼女に伝えてくれたのだそう。その後、わざわざ先生に私の電話番号を聞いて、お礼の電話をかけてきてくれたのです。
「うちの子が今年1年幼稚園を楽しめたのは、●●のおかげだと思います。本当にありがとうございました」と。

人間の大きさに私の方がひれ伏したい気分でした。私、何もしてないし・・!
その時も、私だったらできるだろうか、と思いました。
「そっかぁ。いい友だちが出来てよかったね」と子どもに伝えて、終わっていたんじゃないのかな。

冒頭の御礼の電話を切ったあと、幼稚園のママ友だちの顔が思い浮かびます。私、こういう人になりたいわ。いや、ずっとなりたかったんだったわ、と思い出しました。

そして、思い出す、という表現がピッタリなくらい、出来ていない。「忙しい」「忘れてた」は全部言い訳で、実現を阻むのは「相手に変に思われたらどうしよう」という不安です。ありがたいことがあっても、「ま、いっか。次会った時で」と思っているうちに忘れてしまう。電話で御礼を伝えた経験なんて、メールが不得手な親戚に贈り物をもらった時くらいです。

こんな風に、感情に飲まれて自分の望む結果から遠ざかることは、大なり小なり、日常で多々あります。しかも無意識に・・。

◇◇◇

7月4日(土)、ジェレミー・ハンター准教授のセルフマネージメントのオンライン講座を受けました。

ジェレミー・ハンターさんは、ピーター・F・ドラッカー大学院の准教授。「自分を管理できなければ人を管理することなどできない」というドラッカーの主張のもと、やりがいのある、人生観が変わるような幹部向けの教育プログラム、エグゼクティブ・マインドを作り、教えています。(詳しくはこちら

ジェレミーさんは、マインドフルネス研究の第一人者ですが、「マインドフルネス」を理解するには、「マインドレスネス」を知らなければならない、と言われています。マインドレスネス、とは意識がここにないこと。

「いつも遅刻してしまう」「いつも子供に怒鳴ってしまう」など無意識についやってしまうこと、ないでしょうか。その行動をとった理由が答えられないのであれば、「マインドレスネス」なのだそうです。

先の電話の例も、「マインドレスネス」ですね。
では、どうしたら「マインドレスネス」を脱することができるのか。
講座のすべては書けないのですが、3つ、印象に残ったことを書きます。

結果から逆算する

望まない結果に陥っていることに気づいたら、「何でこうなったんだっけ?」と原因を振り返ります。ドラマを逆再生するかのように、脳内で自分の動きを巻き戻します。

まずは、スタート地点にある、自分自身の「感情」や「状態」に気づくことから始まります。電話の例でいえば、「相手に変に思われたらどうしよう」という不安です。

感情とは、波である。

どんな感情も、高い状態のまま永遠に続くことはありません。
まるで波のように、高ぶりは次第に収まり、穏やかな凪となります。しかし、そのピークの渦中にいるときは、感情の波に飲まれて先が見えません。いつか収まることなど脳内から吹き飛んでいます。

ジェレミーさんは、負の感情を感じたときには、

●自分が、今「怒っている」「悲しんでいる」という感情に、客観的に目を向けること
●その感情を否定せず、受け入れること。体験すること。

を教えてくれています。

例えば、電話でお礼を伝えようか、と考えた時、「変に思われたらどうしよう」と感じたとしたら。まず、その不安を自分が受け止めること。無いことにしない。そして、その感情を否定せずに、波に乗るように味わうこと。私、不安なんだなぁと。

自分が大切にしていることを思い出すこと

感情は命令ではありません。不安という感情の先にも、とれる選択肢はたくさんあります。不安だからって、足がすくむような反応をとらなくてもいい。

感情を味わったら、自分が本当に大切にしたかったことは何だったっけ?と思い出します。

思い出したら、その”大切なこと”に照らし合わせて、自分がどの選択肢をとるかを選びます。

先の例でいえば、不安を感じたあとに、「私、ありがとうってちゃんと伝えられる人になりたっかんだなぁ」と思い出すこと。そのために、どういう行動をとるのがいいのか、自分で選ぶこと。

◇◇◇

さて、この「変に思われたらどうしよう」という恐れ。
今回は電話を例に出しましたが、ありとあらゆる”望まない結果”をひも解いていくと、他の事象も根底は同じでした。つい労働時間が長くなってしまう、とか。人に頼まずに、自分ひとりで抱え込みがち、とか。

「変に思われたらどうしよう」の裏にあるのは、「できる自分になりたい、思われたい」。

自分自身の不安を認めながらも、「できる自分になりたい」を手放すことで、周囲の人を今までよりも強く信じられるような気がしました。

講座では、講義以外にも対話や内省など、自分自身の状態に向き合う時間があります。体は自分が思っている以上にたくさんの情報をもっている、と気づけたことも大切な学びでした。

こちらのTEDの動画もおすすめです。

ジェレミーさんの新刊はこちらです。

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