私が記事を書く意義と目的(その1)

新年あけましておめでとうございます。

2020年の12月31日に書き始めた個人note。更新は今のところ不定期の予定ですが、“一年の計は元旦にあり”ということで2021年一本目を書きたいと思います。

ある選手のお母さんからの手紙で気づいたこと

西尾のプロフィールは簡単なプロフィールはこちら

https://news.yahoo.co.jp/profile/commentator/nishionorifumi/comments

前回の記事(https://note.com/norifumi_nishio/n/n5b3e0c56cd7b)で、スポーツライターとして仕事をすることになったきっかけについては軽く触れましたが、元々その職を目指していたわけではありません。高校時代から軸としてあったのはとにかく野球にかかわる仕事をして生きていきたいということ。大学院生の時に少しずつ仕事をいただくようになった時、も野球の現場に足を運びながら、苦手ではない文章を書くことが生業になればいいかなというくらいの気持ちでした。

2004年からは会社員と二足の草鞋で野球の書く仕事も続けていましたが、就職した会社はビジョンを重視しており、自身のビジョンについても考える機会がよくありました。そんなこともあって、自分が野球の仕事をする目的についても考えるようになっていったと思います。そしてそれをはっきりと感じる出来事があったのは2005年。当時寄稿していた「アマチュア野球」(日刊スポーツ出版社)という雑誌の編集部あてに、自分が担当していたドラフト候補一覧表に掲載した高校生のお母さんから手紙が送られてきたことがきっかけでした。

内容はこのドラフト候補一覧表に乗っているのは自分の息子で間違いないか?ということ。そして野球は高校までと考えていた息子が、この一覧表に名前があることを見たことで、大学でも野球を続けようと考えているというものでした。

その一覧表には多い時には500人ほどの選手が掲載されていましたが、当然全員将来的にはプロも狙えるとこちらが判断した選手ばかりです。そんな選手が高校までで野球を辞めようと考えていたことに驚きましたが、それ以上に名前が載ったことがきっかけで大学でも続けようと考えてくれたことに喜びを感じました。そして、自分が野球の記事を書く意義はこういうところにあるのではないかと思ったのです。またそれと同時に、自分の書いたもの対する責任も感じ、いい加減な仕事はできないという気持ちにもなりました。

プロのスカウトよりも熱心に見て当然

大学院で研究をしようと志した頃から野球の技術については勉強しており、それは社会人になってからも続いていましたが、このことがあってからまた学ぶ意欲が高くなったように思います。また、現場で野球の試合を見る時にも出場している全員の選手についてチェックしますし、データもとるようにしています。

現場ではよくプロ球団のスカウトの方と一緒になります。選手の良し悪しを見極めるという意味では同じ作業をしていますが、スカウトの方はリストアップしている選手のチェックがメインなのに対し、自分はその時にはドラフト対象ではなくても野球を続けていれば将来見込みのある選手を探すことも同時にしています。それだけ見る対象となる選手も増えますから、プロのスカウトよりも熱心に見て当然です。また、技術的などんなところに注目してどんなデータをとっているかについてはまた改めて記事にしたいと思います。

見られる、評価されることで選手が才能に気づく

お母さんから手紙をいただいた選手のように、こちらが凄いと感じていても、意外と自分の実力や才能に気づいている選手は少なくありません。そんな選手も、見られていることや評価されていることがきっかけで、更に才能が花開くこともよくあることです。

自分が見られる範囲は限られていますし、千里眼を持っているわけではありません。ただ、多くの選手について見てきた経験と、広く発信できる場を与えていただいていることは確かです。その場をできる限り活用して記事を書いていく。そのことが多くの才能ある選手が野球を続けるきっかけとなればこんなに嬉しいことはありません。

それが自分がこの仕事をする意義の一つだと思っています。

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