原油価格は150ドルまで戻るか

原油価格の将来を考える上で、例えばテレワークがどこまで定着するか、旅行需要がいつどこまで戻るか、第二波、第三波はあるかなど、読めない要素は多い。

しかし、確実に言えるのは石油開発投資は2015-2019年の間だけでも2014年比で3〜4割減っていて、今年は更に前年比3割減って2014年比で6割減程度になっている。

石油需要は4月に瞬間的に3割減りはしたが、既にかなり戻って来ていているので、開発投資の削減水準からして需給バランスが持続可能とは思えない。つまり、このままもの凄い需要減イベント(世界恐慌、世界大戦、ウルトラ蓄電池の登場で一気にガソリン車駆逐等)がない限り、数年内に需給タイトになり原油価格高騰するリスクの方が高いと考えるのが妥当だろう。

石油業界の人は原油価格の復活を願っているので、そういうバイアスはあるだろうが。

ただし、短期的には前もコメントした通り、中国の独立系による買い占めがまだ続いていて、その枠が終了すれば再び年内は下落すると私はみている。

原油価格が戻らないと考えている代表格が、Citiのエド・モースということからも、復活説の正しさは証明されていると思う。50ドルで余裕に生産できるとか、なかなか舐めたことを言っているが、その水準でも米国シェールオイルはコロナの前の11月に崩壊が始まっていたというのに。


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