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続編と原作ものは評価が曇る代表的な例

映画『キングスマン・ファーストエージェント』を観た。
第一次大戦を舞台にしたスパイアクションものだ。
実はこの映画はシリーズものの3作目。

前2作は現代を舞台にしている。
それが3作目にして100年前に遡り、主人公が所属する組織『キングスマン』の誕生が描かれる。
この『ファーストエージェント』はキングスマンファンの間で賛否両論らしい。

たしかに、ぶっとんだ設定とアクションとデザインの善作に比べたら、地に足がついている。
現実の戦争が舞台だし。
前2作のファンの中に戸惑う方がいらっしゃるのもよくわかる。

僕はこの地に足のついた3作目が一番好みだ。
他人に『キングスマン』を薦める機会があれば迷わずこの3作目『ファーストエージェント』を推す。
それくらいドラマも演出もすばらしかった。

主人公親子の2ショット写真を見ると、自動的に涙が流れる体質になってしまった。
全ての人が『キングスマン』をこの3作目から観たら、今起こっている賛否論争は起こらないと思われる。
骨太で真っ直ぐな映画だ。

でも、この3作目から作ったらおそらく大ヒットはしなかっただろう。
したがってシリーズとして3作続くこともなかった。
1作目の出鱈目な爆発力があったから大ヒットシリーズになったのだ。

でも1作目、2作目を先に見たファンの目は偏る。
『キングスマン』とはこういう映画だと刷り込まれる。
3作目を同じようなものだと期待して観ると裏切られる。

僕は裏切られたことが快感だったけれど、不快な方もいるだろう。
それを否定はしないしその気持ちもわかるつもりだ。
これ、原作ものの映画でも似た現象がある。

たとえば漫画の映画化だ。
日本映画に多いのだけれど、漫画の映画化は9割が評価されない。
特に原作ファンからはけちょんけちょんに言われることが多い。

もちろん映画としての出来もその評価には含まれるだろう。
でも漫画を先に読んでいるゆえの落差が大きいような気がする。
自分が体感した例を挙げる。

以前に娘の付き合いで『暗殺教室』の映画を観た。
なかなか良くできた面白い映画だと思った。
だから娘の本棚にあった漫画を読んでみだ。漫画を読んでから映画を振り返ったら…

「がんばってるけどこれが日本映画の限界か」
がっかりして映画の評価が下がってしまった。
面白い映画を観たら、その前作や原作は観ない読まないという選択もある。

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