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お手伝いで子どもは育つ〜チャギントンから学ぶ勇気づけ〜

家では見ないテレビ番組をついつい見てしまうのがスーパー銭湯だ。早朝の露天風呂のテレビで、チャギントンが流れていた。つるの剛士が進行役を務める、擬人化された列車の世界を描くCGアニメ。こんなストーリーだった。
大雪で線路が覆い尽くされている。大人のれ者たちは手分けして雪かき。雪を線路外に押し出すガードをつけて、線路を走り回っている。それを見ている子どもの列車も雪閣をしたくてたまらない。
ところが、大人たちに雪かきをさせてと言ってもやらせてもらえない。邪魔になるからその辺で遊んでなさいと。だから仕方なくウズウズしながら雪が積もっていない狭い操車場の線路で遊んでいる。
この子ども列車のウズウズがとってもリアルだ。雪かきをさせてもらえない、手伝わせてくれない。だけどめっちゃしたい!そのストレスが子ども列車の身振りからとてもよく伝わってくる。
そうこうしているうちに事故が起こる。大人の列車の一台が雪溜まりに突っ込む。一緒に雪かきをしていた列車はあの雪溜まりは大きすぎると止めたのに、自分の力を過信して直進する。雪に完全に埋まってしまった列車は動けなくなる。
一緒に雪かきをしていた列車が連結して引っ張るけれど、雪に突っ込んだ列車はびくともしない。事故が伝達されて、他の場所で雪かきをしていた列車たちが一台一台と集まってくる。連結して引っ張る列車の台数は増えていく。近隣の列車が全部連結して引っ張っても事故列車は雪山から抜け出せない。
最後尾に連結した列車が子ども列車を呼び寄せた。そう、雪かきを手伝いたくってウズウズしていたあの子だ。子どもは大喜びで最後尾の列車のさらに後ろに連結する。子どもの力が最後のひと押しになって、事故列車は雪から抜け出すことができた。
ラストシーンは大人たちに混じって嬉しそうに雪かきをする子どもの姿。この「おおきなかぶ」みたいな単純な話をお湯に浸かりながらぼーっと見ていて、僕は大事なことを思い出した。
5年前、地域ボランティアとして小学校で開催されるお祭りの準備をしていたときのこと。校庭で暇そうにしていた小学生に手伝いを頼んでみた。その子は勇躍、立ち入り禁止区画を知らせるテープ貼りを手伝ってくれた。その嬉しそうな表情。
子どもに手伝いを頼む大人でいよう。そのためにできるだけ大人たちの最後尾で後ろを見ていようと思った。雪溜まりに突っ込んだ自信過剰の事故列車が「おじさん」の声と外観をしていたことを書き加えるのは意地悪かな。

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