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映画、観てから読むか、読んでから観るか 〜閃光のハサウェイに文字は邪魔〜

すでに公開中の映画を「見たい」って言ったり「見ようかな」って言ってる人を僕は信用しない。
本当に「観たい」映画はすでに「観ている」はずだから。
シリーズものの過去作ならなおさら。

(この記事で『映画を観る』は『映画館で鑑賞する』ことを指す)

「『閃光のハサウェイ』が評判らしいので映画館で見たい。
だけどガンダムはあんまり知らない。昔のを見てから行こうと思う。
どれから見たらいいですか?」

デジャビュ〜!

スターウォーズもゴジラもエヴァンゲリオンもアベンジャーズも。
メジャーで長く続いてて常に最新作が常に話題になるシリーズ映画が公開されるたびに誰かしらから受ける質問。
小説やマンガが映画化されたら、原作小説(マンガ)を先に読むべきかどうかも同様によく聞かれる。

そのたびに僕はこう答える。
「何も考えずに最新作を劇場で観てください」
映画を観るのに準備なんか不要、と僕は思っている。

100歩ゆずって、シリーズ映画の前作の映画はたしかに観ておいてもいいかもしれない。(基本的には観なくていい。あくまでも100歩ゆずってだ)
だけれども原作の小説や漫画を読むことは全く不要だ。
それらの原作の情報は、映画を観るのに助けになるんじゃなくて、逆に邪魔になる。

映画はその映像と音響だけで楽しめばいい。
映画を見ている最中に文字で書いた情報や、どうしても比べてしまうマンガの絵が頭に浮かんでしまうことは、映画を純粋に楽しむことの邪魔をするのだ。
というのが映像派の僕の意見だ。

そしての最新ガンダム映画『閃光のハサウェイ』である。
これは30年前に書かれた小説が原作で、極めて原作に忠実に作られている。
たしかに、小説を読めば映画の中で起こっていることの理解はしやすいだろう。

だけれども「理解しなくてはいけない」という考えがもう映画を楽しむことからズレているのだ。
理解できるできないじゃない。映画の中の世界に巻き込まれる。
それが映画館で映画を観るということだ。

閃光のハサウェイ、たしかにガンダムをこれまで見たことのない人は???がいっぱいの映画だろう。
だけれども心配はない。閃光のハサウェイは『ガンダム』であるまえに『映画』だ。
劇場で見るべき『映画』として作られている。

ちゃんと2021年に公開されるに相応しい最新の『映画』になってる。
安心して巻き込まれてください。
見た後に小説読みたくなったら読めばいいし、過去作を観たくなったら観ればいいんです。

映画1本を隅から隅まで理解しなくてはいけない、なんていう貧乏くさい考えは捨ててください。
そもそも小説を読んだって、前作を見ていたって、映画を隅から隅まで理解することなんて不可能だ。
映画、映像の楽しみ方は理解することではない。

なんでこんなことを強調するのか。ここから本音。
映画見る前に小説読まなくちゃいけない。前シリーズを見たくちゃいけない。
なんてハードル上げたら絶対に見ないでしょ。

仮に『閃光のハサウェイ』を「見たい」って言ってる人が100人いるとする。
それに対して原作や過去作のアドバイスしたとしてもしていないにしても、その中から本当に映画館に行く人は…
2人がせいぜいなんだから。(当社調べ)


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