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ワイプの話を書いた2年前はまさかこんな状況がやってくるとは

思いもしませんでした。
和田のりあき2018年5月15日のフェイスブックより。

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【ワイプの話】

世間一般では現在「ワイプ」は、テレビ番組のVTR中にスタジオ出演者のリアクションがうつる小窓、だと認識されている。
完全に誤用とはいえないけど、めっちゃめちゃ違和感がある。

僕にとっての「ワイプ」は、映像で物語を語る上で場面転換をするときに使う映像効果。
黒澤明が好んで使い、スターウォーズで舞台の惑星が変わる時に必ず使われる効果。
ワイパーで車の窓を拭くように、画面のある方向からほかの画面が割り込んでくる。

ワイプをはさむことで、物語に入り込んでいる観客が「我に帰る」効果があると僕は思ってる。
あ、これって物語やったんやと。
これはカットやディゾルブでは得られない効果。

どうしてリアクション小窓が「ワイプ」と呼ばれるようになったかというと、テレビの画像を切り替えるスイッチャーがアナログだった時代、リアクション小窓を作るのにスイッチャーの「ワイプ機能」をつかっていたから。
つまり、元の画面から次の画面へ四角の形で画像を割り込ませて切り替える機能。

次の画面の開始場所を画面上隅にして、切り替えを途中で止めておく。そこにスタジオ出演者の顔をはめる。
だから出演者の顔を小窓に入れる場合、カメラマンはその小窓に合うように、画面の隅にちいさく出演者の顔を写していた。
(文章で伝わるでしょうか)

でもデジタルが主流になった20年ほど前から、アナログワイプ機能はもう使っていない。
強いていうならDVE(デジタルビデオエフェクト)。
カメラマンはわざわざ画面隅に小さく出演者の顔を映さなくても、正面から普通に写した顔が画面隅にデジタル加工されてうつるようになった。

長々と語ってしまいましたが、いいたいことはこれ。
「ワイプはわちゃわちゃしたテレビ芸能人のリアクションやなくて、映画編集の技法。本物のワイプを見たければ、黒澤明かスターウォーズを観なさい」
以上。

【これを誰が読んでくれるというのか】

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