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老害になりたくないから悩んでる

20代男子に「和田さん、ガンダムSEEDフリーダム見といてくださいよ」と宿題をもらった。
ガンダムSEEDとは2000年からテレビ放送されたアニメ。
その新作映画が2023年に公開された。それを見ておいてくれという。

僕が初めて見たガンダムは1982年公開、最初のガンダム映画の完結編。
当時のオタク少年の多分に漏れず、そこから10代の間はガンダムにどっぷりハマっていた。
それから少し間が空いて、やってきた2000年のガンダムSEED。

当時20代の僕は「なんじゃこりゃ、こんなんガンダムじゃない」と見なかった。
アラフィフになって、当時よりも器が大きくなったであろう昨日、宿題の劇場版ガンダムSEEDを見てみた。
やっぱり見るのがツラかった。

さすがに20代の未熟だった頃のように「こんなんガンダムじゃない」と否定はしない。
ガンダムSEEDも放送から24年。現代の20代30代を直撃して、去年の劇場版も大ヒットしている。
老害が否定したところで意味はない。

それでもツラかった部分を書かせてもらう。
登場人物が未熟で、つねに自分の感情を絶叫している。
登場メカが最初から「カッコイイこと」を目的に描かれている。

ますます老害チックな感想になるんだけれど、初代ガンダムはそうではなかったと思っている。
登場人物は深みがあり、その演技にも含みがあった。
登場メカは最初から格好いいわけじゃない。作中の役割を果たすことで結果的に格好良くなった。

全部過去形で書いてたのは、時間の経過により美化されている部分もあるだろうから。
ガンダムSEEDの描き方がイカンなんていうつもりはない。
2000年以降のアニメの主流の演出をしていて、その支持者は多い。

登場人物がいつも自分の感情を絶叫して、格好いいことを目的に演出されているヒットアニメは山ほどある。
鬼滅も呪術廻戦もスパイファミリーも全部そうだ。
ただ、それをガンダムでやられるとどうしても違和感を感じてしまう。

ガンダムの創始者富野由悠季監督のドラマ構成を刷り込まれたアラフィフだ。
なんてことを言うアラフィフはおそらく富野監督に呆れられている。
「アニメを神格化して自分で考えない未熟な大人が増えた」と。

実際にインタビューでこういうことをよくおっしゃっている。たしかに僕は未熟な大人だ。
勧めてくれた20代男子が気を悪くしないようにガンダムSEEDの感想をどう伝えようか…
こんなことに悩んでいるんだから。

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