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「3000の有志栽培者の協力を得て寒冷地に適した大豆の新品種を開発!」 ECG グット・プラクティクス20選⑷  A4: サプライヤーチェーンでの透明性と民主的決議

https://web.ecogood.org/media/filer_public/bc/c0/bcc041d5-3bc2-4e7a-8d2e-3896554bda6e/2021-04-07-good-practices-web.pdf

本シリーズでは、ECG(公共善エコノミー)グット・プラクティクスに選ばれている20優良企業・団体を、公共善マトリックスの20項目に沿って、1社づつ紹介。

4つ目の会社は、私が「公共善エコノミー」を知るきっかけになった、ドイツ・フライブルクの豆腐工場Taifun(タイフーン)社。中欧の寒冷地に適した大豆品種の開発に、約3000の契約農家・趣味の菜園家・共同農園が参加する事業を実施した。

A4: サプライヤーチェーンでの透明性と民主的決議

Taifun(タイフーン)社は30年来、ビオ(有機認証)の豆腐を製造している有名なメーカー。90年代半ばからは、中欧の契約農家と提携で、原材料の大豆もヨーロッパ産を使用している。中欧の寒冷地でしっかり育つ大豆の品種改良は、メーカーにとっても契約農家にとっても長年の課題。新しい品種の開発には通常、かなりの時間がかかる。タイフーン社は2016年から2018年にかけて、ホーエンハイム大学と一緒に画期的なアイデアを実践した。品種の実験を、農家や趣味の菜園家、学校や市民団体などの共同農園に呼びかける、というもの。この「1000菜園のプロジェクト」には、約3000の栽培者がドイツ全土からプロジェクトに応募してきた。大学の研究室にとっては、ドイツ各地の様々な立地条件の場所で一斉に複数の実験品種のテストデータを収集できるチャンスだった。2019年には、このプロジェクトから生まれたタイフーン独自の新品種「Tofina」が公的に認可され、タイフーンの契約農家が栽培をしている。「1000菜園のプロジェクト」は2019年から2022年にかけても2期目が開催された。タイフーン社は、契約農家や消費者、学校や市民団体に至るまで幅広い栽培家との協働により、大手種子メーカーに頼らなくて済む、特許フリーの、中欧の地に適したさらなる新品種の開発に取り組んでいる。

https://www.taifun-tofu.de/

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世界35カ国、3000以上の企業・団体が参加するECG(公共善エコノミー)運動の主要ツールは「公共善決算」。横軸に人間社会の基本価値4つと縦軸に5つのステークホルダーからなる「公共善マトリックス」で、企業や団体の倫理的・社会的・エコロジカルな経営をホリスティックに評価する。SDGs17目標もすべて含む「公共善決算」を行う企業・公益団体、自治体、教育機関は、世界的な草の根ボトムアップ運動の先導役。



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