一般論と経験論の間【メンタルブロックストラテジー・Vol.824】

「俺が言うてんねんから
間違いない!?」

「常識的に考えたら!?」

これらの,よくある
こちらが求めても
いないのに繰り広げられる

上から目線アドバイスもどき!

ただ,この2つは
起点になっている

考え方が実は全く
逆になっています!

今からそれらを紐解いて
人が陥りやすい盲点について
お話ししたいと思います!

論理的に物事を
考えて行くのに,

2つの真逆の方向となる
考え方があります!

一般的な大前提から
個々の具体例を
結論としていく

「演繹的思考
(えんえきてきしこう)」

(「常識的に考えて…」
の方ですね)

これは数学や物理学などの
自然科学の考え方です!

何か法則があって,
それを根拠にして

具体的な何かを
証明して行くような
考え方がまさにコレです!

逆に,個々の経験や
1つの例から一般的な
法則を見つけようとする

「帰納的思考
(きのうてきしこう)」

(「俺が言うから
間違いない…」の方ですね)

実は,「音楽理論」なんかは

「あ!この音とこの音
組み合わせたら

なんかカッコええから
メモっとこ!」

と,音楽の先人たちが
メモっていってくれた
おかげで,この考え方で
成り立っています!

ただ,これらは
それぞれに強みと
弱みがあります!

よく化学の世界では
多いのですが,

演繹的な考え方で
考えて行っても

「例外」

というものがあります!

この考え方が強過ぎると,

何かのルールを
絶対視してしまうあまり

そこから外れるモノを
認められなくなります!

電球を発明した
あのエジソンも,

晩年はスピリチュアルな
研究の方向に行ったように,

科学と宗教的な
考え方の境界が

分からなくなる
ような方は,この
考え方が強いと言えます!

そう…演繹的思考も
過ぎれば

「何かを盲信したり
融通が利かなくなる」

という弱点があります!

また,帰納的な考え方も

「あそこの和菓子屋さんの
アンコがメッチャ
美味しいから
絶対食べてみて!」

と,一押しされても,

それはあくまでその人の
個人的主観・経験にすぎず,

あんこがあまり
好きではない私には

もちろん当てはまる
わけがありません!

このように,
帰納的思考が強すぎても

「自分の経験や
価値観が絶対!

人を疑ってばかり」

という弱点が出てきます!

そんな感じで
誰にでも当てはまる
わけではないという
弱点があります!

音楽の世界でも,

「ベースはこんな感じで
練習したら良いよ!」

と言われても,それが
その人に合っているとは
限らないでしょうし,

かといって何か

「このカリキュラムがあれば
怖いものはありません!」

と言われても,

そこから応用力は付いても,

何かそのカリキュラムに
穴が合ったとしても

そこに疑いのメスを
入れないといつまで経っても
欠陥を抱えたままになります!

そう…これらの考え方の
バランスこそが
大事になってくる訳です!

そこで先日お話しした

「メタ認知;
自分自身の今まで
信じてきた信念も

今まで積み重ねてきた
経験も絶対的な
ものではないと考えて,

自分をも客観的に
捉えられる考え方」

が重要になってきます!

私はこの

「メタ認知」

の話を聞いた時にまさしく,

「演繹的思考と
帰納的思考のバランス」

だと思い,

今までで得た信念が
ありつつも,その
例外や穴に気付き
修正を掛けられる一方で,

自分自身の経験は
経験で大切にしながらも,

時と場合によっては
それらを疑ってみる

謙虚さを持っていく
事だと思いました!

「メタ認知」のような
少々聞き慣れない
言葉が出ましたが,

要はジャムセッションや
演奏の世界でも然りで,

どうやったら
上手くいくか,その
方法をやりながら探し,

軌道を修正することと

自分ももちろんのこと

相手の意見や経験も
尊重し,その中で

良いものはどんどん
取り入れ,自分自身を
アップデートしていく
謙虚な気持ち

これらが演奏での
コミュニケーションの
強みだと私は思っていて,

演奏の上達は,
結局のところ

ここに集約される
のではないかと
考えるようになりました!

これらを普段から
実践していくことで,

「メタ認知」の能力を
より身につけやすく
なっていく過程で,

必然的に演奏能力や
コミュニケーション能力も

どんどん磨かれて
行くことでしょう!

今,何が出来るか
というところから,

ぜひ考え,実践していって
頂ければと思います!

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