初めての連歌を振り返って

私は以前、ネット上で知り合ったガネ友の詩人仲間と、共作で詩を作った事があります。ホームページの掲示板で、順番に書き込んで詩を作ったのです。お互いの紡いだ言葉に、連鎖するようにして生まれた詩。その時の、相手の書き込みが待ち遠しい気持ちや、それを受けて詩を模索する時間は、他で味わった事のない幸せな感覚だったと記憶しています😌✨


先日、フォロワーの雨のかゆさんの記事にコメントしたところ、コラボを提案されました😆あの頃の楽しかった経験をまたできるかもしれない……。私は期待して、どんなコラボなのか聞いてみました。すると、

「コメント欄を使って連歌など」……

連歌……、って何だっけ?)

どこかで見た覚えがあると思い、国語の参考書を開きました。

(なになに、短歌の上の句と下の句を複数の人が詠みついで行く連歌、ですか。アレじゃん。貴族の遊び、ってやつじゃん。なんと雅な提案😆)

私は短歌を作る事もありますが、自分でも分かるくらい、良い出来のものが書けないのです。でも、雨の粥さんからのせっかくの提案ですし、連歌を興じるのは初めての経験なのでチャレンジしてみようと思いました😉


始める前に、雨の粥さんが他の方々と行った連歌の記事を読みました。

(ふーむ。こういう感じでやればいいんだな。できそうかも😃)

でも、流石に自分から上の句を始めるのはキツイと思ったので、発句は雨の粥さんにお願いしました。

せて 花散る夜の蝉時雨せみしぐれ

雨の粥さん

え?

ええーっ!?

靴失せて、って何だろう?蝉時雨って事は花は桜じゃないなぁ。夜に蝉がうるさく鳴いていて、花が散る光景。うーん。じゃあ、靴失せてはブランコから靴飛ばしをしたって事にしよう😁公園なら花も蝉もあるし。あとは靴の無い状態で何をするか。)

そうして考えた結果、できた下の句がこちら。

ブランコの上 重なる吐息

nori

なんか、意図せず恋愛物になってしまった😅そんなつもりじゃなかったのにー、って思われるかもだけど、他に思い付きそうにないし、これで行こう。えいやっ。私はコメントの送信ボタンを押しました。


そして、次は私が発句したいと思い、上の句を考え始めました。

(一首目は夜だったから、次は朝の歌にしよう。朝は静かで川のせせらぎが聞こえてくるイメージ。せせらぎの意味をちゃんと調べてみよう😃)

辞典を開いた📖

(うーん。あんまり膨らまないかな。そういえば、「せせらぎ」と「かささぎ」って似てるなぁ。かささぎも調べてみよう📖カラス科の鳥、か。ん?かささぎの橋、って書いてあるぞ。なになに……、ほーう!「七夕の時、鵲がその翼を広げて、天の川にかけ渡すという、空想上の橋」ですか。これは使えそうだぞ!😄)

そうして、考えた上の句がこちら。

リフレーン かささぎの橋 あかつき

nori

リフレーンは何となく浮かんだのですが、意味は「詩・楽曲の終わりの部分を繰り返す事」と、こちらも辞典📖で確認しました。鵲の橋について知っているか、調べてくれたら続きが浮かびそう。さて、雨の粥さんはどう繋げてくれるでしょうか。

鏡を抜ける 相愛の子ら

雨の粥さん

おや?「鏡を抜ける」って何だろう?とその時は思いました。今、時間を置いて振り返ってみると、楽しい時間にも終わりが訪れて、別れを惜しむようなリフレーンの中、朝を迎えて天の川にかけられていた鵲の橋は消えようとしている。そんな夢のような世界を「鏡」と表現したなら、「鏡を抜ける」は続きとしてピッタリだと思いました😊「相愛の子ら」がこの後どうなるのか。次の発句が楽しみでした。


迂回路に 夢の切れ端 いだきつつ

雨の粥さん

(良かった。今度は分かるぞ😉「相愛の子ら」が、あの夢のような楽しい時間を懐かしく思いながらも……。さて、どう転回しようか。夜、朝ときたら次は昼だけど……。連歌というくらいだから、三首で一つの作品だろうし一首目に戻るのもアリだよなー😄「蝉時雨」って良い響きだし、もじってみようか。〜せみし暮れ、ってどうだろう?昼じゃなくて夕方だけどアリじゃないかな😃〜せみし、って言葉あるかなぁ……。うーん。「うつせみ」って何だったっけ?)

またしても辞典が頼りだ📖

(「現身うつせみ」は、「この世に生きている人間。この世。現世。」か。イイな!現身し暮れ、じゃ変だからちょっと変えよう😃)

雨の粥さんの発句を受けて約30分。もう下の句はできていました。でも、遅い時間になってきたし、締めの句なので、時間を置いて再考してからにしようと思いました😌

翌朝、再考したけどこのままでいいと思い、コメント欄に書き込み始めました。「うつせみ」を変換すると最初に表示されたのは「空蝉うつせみ」でした。

(待てよっ!この方が良くないか!?「この世に生きている人間の暮れ」をあえて蝉で例えて、「セミのぬけがらの暮れ」。うん。たぶん、こっちの方がイイ!😆)

というわけで、書き込む寸前に書き換えた下の句がこちら。

セパレートする 空蝉うつせみの暮れ

nori

できたーーーっ!!

完成だーーーっ!!

「セパレート」は他の言葉もあると思うけど、文字の並び上カタカナを使いたかったんです😁


せて 花散る夜の 蝉時雨せみしぐれ
ブランコの上 重なる吐息
リフレーン かささぎの橋 あかつき
鏡を抜ける 相愛の子ら
迂回路に 夢の切れ端 いだきつつ
セパレートする 空蝉うつせみの暮れ

雨の粥さん(1,4,5)、nori(2,3,6)

全体の解釈は、雨の粥さんが素敵にまとめてくれました。

靴を失ったまま短い命を燃やして迂回路を巡る相愛の子ら、それは現し身か抜け殻か……。

うーん♪こう聞くと良い歌ができたみたいだ😁

詳しくは下記をご覧下さい。


初めてコメントを書き込んでから二日足らずにもかかわらず、こんな風にして新しい歌が生まれるなんて不思議です。やってみて思ったのですが、連歌は最初の発句が肝心要ですね。雨の粥さんの「靴失せて……」が素晴らしかった!私の発句は名詞だらけだったので、もっと工夫できたんじゃないかなぁ。次回に活かしたいです。自分では、相手に合わせて下の句を考える方がやりやすかったです。

初めての連歌でしたが、とっても楽しい時間を過ごせて、新しい芸術に触れられて本当に良かったです😆✨作成過程を振り返って、この記事を書いている最中も楽しくて、あっという間に時間が過ぎて行きました。長文になってしまいましたが、連歌や共作の芸術に興味を持って頂けたら嬉しく思います😊🍀

最後に、雨の粥さん、コラボの声掛けをして頂いて感謝します。今後もどうぞよろしくお願いします🙇

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