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短歌

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短歌
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2024年6月の記事一覧

万物に悪態をつく己たれ時の元にぞあろうものなら

富あらば平氏となりて武があらば源氏となれるその芦の沼

人と人全ての隙に雨があり近視の男詩に果てたる

古来より鵞鳥の歌は透明で若い羽からひらひらと月

蝶の夢見るにも耐えず田舎道自由の御旗旗の中故

厭離穢土黄昏時は音もなくされど夜闇に復活の雲

君の往く路は少しく死にかけて手繰るざわめき霞にけりな

あとからとあとからとまたそよ風の心のすべていい日召すまま

見よやみよ皆面影の玉鬘古きみやこの望月ぞ繰る

風ひらき不動の巌色にみち垂直の時鏡かがやく