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典 雅
2023年6月29日 23:41
愛として昨日を生きてからの今日眠らずいては明日は泡沫
2023年6月27日 06:59
香りすら半分欠けた温もりを手繰り寄せては起き覚めの夏
2023年6月24日 01:57
憧れに忍ぶ姿も変わりはて「月は沈んで星影もなし」
2023年6月23日 21:50
息づかい図れぬ若さ盲目で水風呂でしか冷めきれぬ熱
2023年6月23日 16:41
線形に声も想いも過ぎぬれば六の道など妖の夢
2023年6月22日 13:16
笹の波閉じ込められた赤い家名前のない絵名付けられた葉
2023年6月22日 09:42
ただ一つ海への道をひとすじに通りは青い鳥に変わった
2023年6月20日 23:05
粉々に割れた心の川流れ欠けたる月よ美味の涙よ
2023年6月19日 10:29
紙の上生き抜くために閉じ込めた「もう会えないね それじゃあまたね」
2023年6月18日 07:53
色もなくこの世の終わり待ちかねて童のように空へのぬり絵
2023年6月17日 02:32
すまし顔朝を知ろうと小刻みに影は「森」とも「震」とも言った
2023年6月16日 23:24
秘めごとは二人の狭間笑いあう真夏の中に架けられるもの
2023年6月16日 06:15
かさぶたは夏の幻天の川拐われるまで波打ち際で
2023年6月15日 22:38
気付いたら死に急ぎする満潮のあれは彼方の水玉の星