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典 雅
2023年5月31日 01:09
満ち足りた一人も一人琥珀色求められない海の花びら
2023年5月30日 13:24
手遅れに人を誘う須臾の火々世界を閉じたびいどろひとつ
2023年5月29日 16:36
咳き込んで足りないものを並べ立て小雨ちらつく「あなたはいない」
2023年5月27日 09:53
百合ケ丘光の季節カラス麦アネモネの花アッチカの鶏
2023年5月27日 08:34
恐ろ世で片糸ついに声も出ずひたひたと隙音も濡れぬる
2023年5月26日 16:42
五線譜の歯並びかくも軽やかにいつも遅れて来たるあこがれ
2023年5月23日 09:47
清かなる記憶の川に隠れ身の玻璃の太陽揺りかごの月
2023年5月22日 15:20
人間の瞳に炎は隠される九割九分の先に本望
2023年5月22日 10:38
朝焼けに誰かの香り振りほどき真顔のために駆ける香水
2023年5月20日 16:05
永遠へ還れるものは風景と止まった時と詩の暴力
2023年5月19日 20:02
ひとたびはみかぎりあったせかいどもよごとなまめかれてはにくらし
2023年5月19日 14:17
華はまた戸惑いも無くそこにある「何も知らない」不条理の苑
2023年5月18日 10:05
限りなく二人の嘘を鮮やかに明日の瞳に芽生えゆくもの
2023年5月18日 05:25
喧騒の遥か向こうで微かなる只雉鳩の山の呼び声