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短歌

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短歌
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2023年3月の記事一覧

傾けばスティールパンもまた悲し時は神様見ぬ空よりも

翡翠の目…直視出来ない夜の透過二人は全て朝露である

針落ちる床を伝って伏せる音それも忘れた頃に夕立

馬鹿げてる幾万回のラブソング体のような子守唄かな

結末をいくら綺麗に描かれても無垢な過去から離れたくない

その縁逸れた二人が向き合えば窓なき室はかくまで狭く

ふるあめにやまのはじらいかすみたつかわいげはなくいとおしくあり

流星を数えるように人になる覇権の咎を嗅ぎ隔てつつ

三日月の音に肩寄せるやすらぎは望月の照る街に裏腹

隠してた背中の汗はドキュメントステップを踏む初老の八重歯

肘をつき焼かれた喉を恨みつつ夜の際までは蒼の踊り場

野次馬に一から十の筋はなし尾頭付いて腸はなし

去り際のファイトを喧嘩に引き込んで口の汚れを隠さぬ奴等

アラームをかけずに伏せて「泣かないで」神の情けもくじけてしまえ