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典 雅
2022年7月1日 21:14
蒸しきった気流列島の蓋が開き木菟の目が次の夜定む
2022年7月2日 00:56
サイダーを廻り廻った少年の夢だけで見る姫万華鏡
2022年7月3日 19:36
微かなる報いの後の黒炎で言の葉を焼く無明の前夜
2022年7月4日 10:01
雨粒の核は絵画に占められたさて美しき近視の世界
2022年7月5日 13:00
浅い夢数えきれない意識の眼去り行く人と苦を友とする
2022年7月6日 08:33
いにしへの歌にまかせて紫の雨ふるさとへわれはかえらむ
2022年7月6日 15:00
花息を痛みの先に立たせつつ香り隠れて鈴は鳴りやむ
2022年7月7日 08:33
過ちを過去とは言えず天川添うて歩いて敗けて笑って
2022年7月7日 08:48
哀メガネ視界のはしを切らしてる「アイラブユウ」のカナがたりない
2022年7月8日 16:54
明日ごと食散らかして気をすます川獺の眼を忘れられるか
2022年7月9日 05:06
夜明けとはいいものだよね希望とか名の付けられた何かよりもさ
2022年7月9日 11:49
君がままそのままで見ゆ夏の雪瞳が虹に等しいなんて
2022年7月10日 17:13
長き世に身のうつくしはかたきかな水のいろなど千代にわからぬ
2022年7月11日 09:45
満潮は満ちきるまでは帰らない引潮もまた偏に同じ