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典 雅
2021年12月1日 14:28
幻よ事の始めに筆をとり事切れるまで居るはずもなし
2021年12月1日 16:51
須く肌は悪夢に剥がされる過去から染みを抜いたところで
2021年12月1日 17:54
暖房に生乾きもの焼き焦がれ「鋭利な蔦だ」彫刻振るう
2021年12月6日 15:31
斜掛けの現場仕事に猫目石心燻らす黒子の運命
2021年12月6日 15:49
唇の過ち静と振りほどき影ひとつから行き交う二人
2021年12月8日 10:32
黴夜中拭いもきれぬ湿度の手別け隔てなく汗は流るる
2021年12月13日 15:12
欠損がぼうっと不幸で埋められる挨拶がまた異な墓のよう
2021年12月14日 15:58
吊橋よ情に一つもない振歩恋に落ちたり魂落としたり
2021年12月15日 15:37
詩に応え内燃機関叫びおり唇に戻りて文は綯われる
2021年12月18日 11:56
足跡を落とす獣の吠え微か白の嵐だオリオンが来た
2021年12月19日 04:13
若者の見栄を讃えて安く売るうなじの紅に窓が鳴いてる
2021年12月23日 10:32
触れもせず背中合わせの夜光虫闇に蠢く飛べない羽虫
2021年12月27日 00:56
PCの止まぬ異音がまた悲し繰る人生の無しと思えば
2021年12月27日 20:39
拍子木の足音近し深川の明るくもない灯りの中で