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典 雅
2021年11月1日 17:50
冬枯れに塵芥共美しく室の造花と水音ひたり
2021年11月1日 19:43
悪党が舞台を去った幕間に餓鬼のひそひそ声が残った
2021年11月6日 11:41
光なき街を抱きて羽を畳み接吻知らず闇底は、星
2021年11月8日 16:15
毬の描く放物線は人知れず七色渡す秋の夕暮れ
2021年11月11日 10:57
若者と臙脂交わして秋茜細まるままの時のゆずり葉
2021年11月15日 14:07
銀時計古りつもる冬浦霞白層々と記憶のはなし
2021年11月24日 14:45
寝る前の御伽噺と帰り道リフレインする無限階段
2021年11月24日 18:48
後背に同じ少女の住んでいた夫婦茶碗を啜る残響
2021年11月26日 11:19
相容れぬ氷の夢と純潔の雪の薄着が千切れ別るる
2021年11月26日 12:51
青雲とロングショットの雨粒が血飛沫と同位体の近視
2021年11月26日 13:48
気紛れに溜息奪う業物の刃渡りもなし家系図もなし
2021年11月29日 17:07
吹き曝しコンクリートに足と唾洗いざらいにあまつ村雨
2021年11月30日 11:20
冬だとは言い訳かしら午の陽の川面に風がまだ光りつつ
2021年11月30日 15:35
本気という気持ち悪さのその先に初夏の午後童の謡い