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典 雅
2021年8月1日 00:54
かの人は言葉に時制持たぬまま賢くあらず篤くあれかし
2021年8月2日 01:49
ただ遠く遠くで終わることを知るいつまでそこにそこにいたって
2021年8月2日 01:58
少年は川と境がなくなった絵日記は只一人の為に
2021年8月2日 11:18
指サックなしで書類はめくられる若くはあらず湿りくる夏
2021年8月2日 12:44
いとけない七月過ぎて帰花朧々と陽炎連れて
2021年8月3日 01:28
横になり鳥居の話す風開くソロのワルツに森はやさしい
2021年8月4日 00:41
通り雨傘を持たせてくれたから過去のむこうであなたに会える
2021年8月4日 09:59
内よりの汗は歴史を積み降ろす忘れた花の一枝もない
2021年8月10日 01:49
大熊が生き方よりも面白くなりたいとして精霊食べる
2021年8月10日 17:28
気が狂うほどに「蛙」と書きなぐり故郷の夜半音壁が立つ
2021年8月10日 17:47
思慕涼み枕を翻然帰途探し望みもしない風を伝って
2021年8月11日 17:05
喀血の黄色は正気の沙汰でない盆から先に泣かせましませ
2021年8月19日 22:35
慣れるなよ職務と名乗る亡霊に生きるふりして死んだふりして
2021年8月23日 14:44
笹は降る液晶からは人時雨鶴が鳴くとてらくだや行かむ