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典 雅
2021年7月1日 14:19
植物の栄華は荒れた緋色の芽逆島は冬のとばぐちである
2021年7月1日 16:59
寺山を国語教師が便覧に読み下すとき青鷺降ちぬ
2021年7月1日 18:55
雨の降る数字は雨が消してゆく真上はつねに烏のはかり
2021年7月4日 02:43
そこにだけ愚かがあって時がない夏よ光を終いたまうな
2021年7月5日 03:19
眠っていた私のベッドの気もするが十五の夜に見たかったもの
2021年7月5日 04:06
「要するにどういうこと」と問われ問う慣れたものだね愛もないのに
2021年7月5日 04:23
足跡は止みそうもない唄のなか老いて人からあきらめられる
2021年7月6日 01:35
君はまた我が身の少女と旅に出るそういう風に書き出したから
2021年7月6日 14:59
ほの暗い水底に銀の杯を立てバーリトゥードの聖がはじまる
2021年7月6日 21:24
ヒーローに取り囲まれた薄弱が時代の限り病を吸って
2021年7月8日 21:19
降水を掬おうとしたスティールとスウェットの間わずか三秒
2021年7月8日 22:06
鋼鉄の処女よ緑の日々は凪ぐ長いながあい影のことです
2021年7月9日 11:05
鳴神の書を綴じおさめ常世闇慕情の句碑が病む一里塚
2021年7月11日 16:37
「雲隠」ただ光のみ人間の手はそのようにできてはいない