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典 雅
2021年6月3日 11:37
金曜の夜は仕事の背景に私情が歌う淡いものです
2021年6月4日 10:16
木霊する古民家屋の呻きから骸を剥がす偽の海風
2021年6月9日 15:35
電波塔危める光月の石ドラッグストア「惚れていました」
2021年6月9日 16:29
「ここにいてどこへもゆける」そう言って裸を纏う彼方が消える
2021年6月9日 17:45
看板に指をさしうるものはなくコインパークのこけのむすまで
2021年6月9日 18:23
真夏日にコップに光る汗だけが人を逃るる友の一輪
2021年6月9日 19:43
年老いた調味料群喰うために葱と忍辱だけの舌粒
2021年6月10日 10:38
あしからず梅雨の雷だとしたらやけに素直な気がしたもので
2021年6月11日 16:42
古色めくリフに幼い薄化粧「あのベルベットは炎だったの」
2021年6月12日 22:57
どの場所に立てど油断は美しい華やいだ空呼ぼうなんてね
2021年6月13日 23:22
ドアがある漏れる歌声当てようと開かないドアの話をしてる
2021年6月13日 23:38
アルコール纏う人共落涙の見分けがつかぬ「在りし日の人」
2021年6月14日 13:03
どっぷりと宵に兎が飛び込んであの裂かれ目が刷毛のようです
2021年6月14日 19:05
ぼくたちが「世界」と口にしたときに君は何限に眠るだろうか