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典 雅
2020年12月4日 10:16
「郭公」が時雨て淡く古校舎端の水辺の伸びゆくままに
2020年12月5日 00:16
幾つかの故郷があった気がすると今が手招く鬼が挫ける
2020年12月5日 01:44
青葉から生まれた蒼い花恨む藤の架け橋故意に落ちたら
2020年12月6日 01:52
夢のあと含み零れる口紅を唯見ないふりしとしとと藍
2020年12月7日 03:42
箒星惨めいて降るあまつさえひとりとひとりなれずにひとり
2020年12月7日 14:50
曠日の灯りは易く測られるつまづくように明けてまた夜
2020年12月8日 00:21
許可証を握り潰して高速へグラデーションのないところまで
2020年12月8日 00:38
彼は部屋の中冷たく吹きすさぶ風は殺める彼の中から
2020年12月8日 20:28
目の前の文化は常に黄昏て光の中に仮面を記す
2020年12月9日 13:46
寒しさを記憶の庭に植え立てて雪のうなじを細りと発つ
2020年12月13日 19:04
年をかけ体を焼いた洞穴に夕暮れはたり欠けぬ面影
2020年12月13日 22:37
一ふりの海を求めて芳しく透明な人永遠の朝
2020年12月15日 22:34
色染まり色落とされて風彼方あなた紅葉の涯てを知らない
2020年12月15日 23:29
夕立で夢を見ただけ影背中「ね、」昨日とは歩けないのに