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私のものづくり過程と循環

自分がどのような過程を経てものづくりを進めているのか整理してみます。
学生時代はデザインとテキスタイルを学び、その後に着物(和装)メーカーで働いた時間が長く、工程管理から学んだ所が多いです。ほぼ実践と経験からの記述になります。また、これらは個人のひとりで行う創作活動の工程です。それでもどなたかのお役に立てば幸いです。
また他の人がどのような過程でものづくりするのか気になるので有形無形問わず何かつくる人はぜひ教えて欲しいです。すでに面白い記事を知ってる方は教えてください!


完成までの段階

アイデア選定とネタ出し→スケッチと試作→設計図と仮完成→仮完成での制作そして発表
大きく4つの段階に分けてみました。

アイデア選定とネタ出し

アイデア」=やってみたい技法や素材、やり方
ネタ」=具体ビジュアルとディティール

アイデアは今まで作ったもの、自分の興味関心からいつもいくつかあるのでそこから選定してキーワードをいくつか出してネタ出しします。
ネタ探しはピンタレストやネット検索をかけたり本で探したりします。ネタは収集や分類はせず関連画像をひたすら辿り、よりイメージの近い方へ進みながらとにかくなんとなく見ることにしています。そうやっているとアイデアが変化することもあって、この段階ではアイデアとネタの行き来によってイメージを固めていきます。わくわくしますね。

スケッチと試作

大体の目星がつきイメージが固まってきたらスケッチします。ここで初めて頭から現実へ出す作業です。

荒く描いてみる

紙に書くこともあれば、いきなりデータを作ってみることもあります。試作しながら考えを詰めます。私は1番停滞する所で苦しい。早く完成形が見たい気持ちをぐっと堪えます。時に挫けることもあって、一度前段階のネタ探しへ戻る事もあります。やっと作れそうだなという所まで描いたり仮に組み立てたりしたら次へ進みます。

設計図と仮完成

より具体的に制作に入っていきます。ここが1番好きかも。素材の選定をして必要であれば設計図も作ります。実際作ってみると素材や技法、構造に無理があったりするので設計のやり直しや微調整が入ります。空間をどう飾り展示するか、そのために何をいくつ作るか等も詰めていきます。
ここではやっと現実からの具体的な応答があります!構造的な無理以外にも金銭的な制約もあるし、個人で作れる限界もあり、どうやったら各条件の下、イメージに近づけるのかの試行錯誤が面白い場面です。

仮完成での制作そして発表

どんなモノづくりも時間の制約や締め切りがなければ捏ね続けられると思っています。だからいつも作品は仮完成です。(もちろん、お金を出してもらうものを作るのでアイテムにより使用に足るものを考えて作っています。)時間と睨めっこして完成までの時間がなければ出来うる限りで切り上げて実際の制作へと入ります。
決めたらもうひたすら作るのみ!考えることは無くなるので手と機械を動かすのが楽しい時間です。

展示をして一区切り

他者へと発表する時はどんな反応があるのかいつも楽しみにしています。在廊の際はワークショップもする事が多く、お客様とのやり取りからいろんなものを頂いています。人との関わりというものも私にとって大事なものなのでこの辺りはまた別で書けるといいなと思います。

循環する

上記では整理のため一方向に進むように書きました。実際は最終段階から時間がまだギリあれば思い切り前段階まで戻る事もあります。
戻りながら完成させてまた次のものを作りはじめるのを繰り返しています。

技法や素材による制約という鍵と次課題

何ができないのかが私の大きな関心ごとです。できないから工夫を凝らしてみようとするところに面白さを感じます。例えば切り絵は素材を切り抜くことで表現するという制約があり、できない表現はたくさんあります。切り絵でできる事もたくさんありますが、できる事だけに注目すると表現は似通ってきて抑圧的に思います。できない表現をできない中でどう工夫するかで自由になる感じがします。「できない」をクリアして「できる」状態を満たすことは必要になりません。だってできないんだから。このへんうまく言葉にできない。なんとか汲み取って下さい。伝われ!

できなかった事
が過程で沢山出る事が私にとってはいいものづくりなのかも知れません。その、「できない」が次のものづくりの種になり、アイデアになります。どう工夫してみよう、実験しなければという状況がまたやってきます。

最後に

私のものづくりにおいて向うべき目的はありません。どこに向うかわからないと思うと、つくる過程とその中で起きてくる全てが目的となってきます。楽しくて苦しくてやめられない、ものづくりの循環を共に回しましょう!

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