乗越たかおダンスマガジン評論集 【お試し版】 20
本書は2013年11月号から、2023年3月号までダンスマガジン誌(株式会社新書館発行 https://www.shinshokan.co.jp)に掲載された乗越たかおの舞踊評論をまとめた「集成版」のお試し版です。
1パックに評論が4本入って各300円とお値打ち価格で、気になる演目だけ読むのも可。第一弾は全21+1パックのラインナップで約10年間の流れがわかります。
※無断複写・転載を禁じます。この資料は、許可なく公開、書き換え、または再配布することはできません。
東京バレエ団『Choreographic Project 2022』
(初出 ダンスマガジン 2022年6月号 約1500字)
/ 岡崎隼也『somewhere but not here.』『【 】』、 井福俊太郎『After Show』、木村和夫『バラの精』、安井悠馬『嚇灼』、金子仁美『The sun rises』、ブラウリオ・アルバレス『Urlicht (原光)』
ヨーロッパでは常識の「バレエを使いこなしたコンテンポラリー・ダンス」は、日本では意外に少ない。「バレエから外れた人がキャラクター重視の面白い動きで見せる作品」と「動きはバレエのまま、コンセプトをまぶしただけの作品」が多いからだ。日本のダンスは技術を学ぶことには長けているが、クリエイションを学ぶ場がほとんどないことも一因だろう。
東京バレエ団は斎藤友佳理芸術監督のもと、若手に振付の場を積極的に提供してきた。従来はスタジオ公演だったが、今回は振付作品のみで構成した初の劇場での単独公演となった。登場した7作品は、いずれもバレエを独自の表現として使いこなしており、日本のダンスに大いに希望を抱かせるものだった。
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