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【ボイトレ・脳トレ・シニアライフ】第38話


N♠「今回は振動に的を絞って声の本質に迫って見よう。音叉の440Hz(ヘル

ツ)の振動数は音楽の基準振動として、「ラ」とか「A」と表記されているのを楽譜等で目にするよね。実はこの音叉は打撃する時、そっと打つのが好ましいんだ。強く打つと振動数が上がってしまうからね。音叉にとっても、脱力の自然な構えが、不可欠だね。」

B♡「振動している音叉を手で触ると音が止まるのは、人がリキンで声質を悪化させるのと同じ様な事なのね.」

N♠「音叉をそこ迄、理解出来たら人の声を考えてみよう。男性の声は音叉に近い振動数400~500Hz(ヘルツ)であり、女性の声は、音叉の倍音振動数800~1000Hz(ヘルツ)と言われているので、ちょうど1オクターブの差となる。
Bincoの声は、体内で1秒間に1000回の振動を息によって起こしている訳だから、その間に力んでしまえば、歪んだ1000Hzに成って仕舞うよね。Bincoの声は、ボイトレのお陰で脱力傾向に、なびいているぞ。でも最後の壁に阻まれている。」

B♡「完全脱力の感じ方が有ったら教えて欲しいわ。」

N♠「いい質問だ。日常生活では脱力を体感する機会は中々遭遇しない。昔のエレベーターが下降し始める瞬間、ふわっと身体が浮く感覚を体感した事あるよね。あの一瞬が自由落下の状態になってるんだ。従って、自由落下は身体が浮遊状態だから完全脱力に近いぞ。
スポーツ分野では、脱力を追求しながら落下するのを制御するスキーやサーフィンはボイトレと共通している。俺の得意なスキーでは、下半身腹部筋肉の塊を放り出す事で自然落下へ飛び込みながら、重心の微調整で落下方向を制御するんだ。そうやって、自由落下を大いに楽しんだものだ。」

B♡「私の人生で下半身を放り出す体験はゼロよ。ブランコに乗ってて、そういう風になったかもしれないわね。」

N♠「その感覚いいかもね。正確に言うと、下半身の重心一点を放り出せばいいので、慣れれば僅かな一点を操作するだけだから、難しくはない。必要なのは、脳みそにその意識を漬け込んで置くのが大切だ。無重力意識を日常的に遊ばせてやる余裕を忘れない事だ。
ついでに言って置くと、筋肉の重心と呼吸系の中心点は、同じ一点だから、この先のボイトレは一点操作にこだわっていいぞ。」


【数学好きの方の為のボイトレ数式コーナー】

オクターブの発想は、あの有名な科学者ピタゴラスが、現在の12音平均律の原型となるピタゴラス音律を作っています。1オクターブは単純な振動数の分割ですが、その中に、(黒鍵5ヶ+白鍵7ヶ)=12ヶを配列する事で、人の耳を癒す音階を定着させた訳です。
音楽も光の虹も、波動の組み合わせです。虹の7色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)の真ん中にある「緑」の波長は、500nm(ナノメーター)であるのに対し、人の基準音「ラ」の波長は、0.6m(メーター)ですから、10の10乗オーダーの違いがありますが、基準音階が7音であり、虹が7色である事と一致するのは、どちらも振動体である共通の仲間に違いありません。ちなみに、虹の七色の命名者はニュートン先生です。又、現在の量子力学では、光は粒子と波の2面性を持っています。声の波も波動と粒子(点)として使い分けるとボイトレに弾みがつくかも知れません。一点操作のボイトレに深い意味を見つけてみませんか?

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