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【ボイトレ・脳トレ・シニアライフ】第55話

N♠「話が進むにつれて、意識が中心軸に向かっている事に気が付いて来たと思う。筋肉(実数君)の「すきま」が狭ければ狭い程、息(虚数君)の流れ(虚数の潜在能力)が作用し易いよね。息(虚数君)のサイズは大気の分子レベルだから想像をはるかに超えたちびっ子だ。」

B♡「と言うう事は、息(虚数君)の流れを挟み込んでいる声帯君は、ピシーッと閉じられていればいる程、理想なのよね。その声帯筋の代理として操作するのが、胸部球体の反対側に位置する背骨近辺の声帯代理筋って事なのね。」

N♠「そこ迄、理解が進んでいれば話は早い。発声は、息(虚数君)と筋肉(実数君)の摩擦音だから、筋肉の密閉度が高い程、声の音程が比例して高まるよね。即ち、音程は摩擦力の調整によって、変化させている訳だ。摩擦力の体感はとてもボヤーッとしているので、ボイトレの難解さが付きまとうんだね。」

B♡「声って摩擦音だったんだ。そんな事、考えたこと無かったけど、かかわりを無視する訳に行かない様ね。」

N♠「ちなみに、摩擦力を無くして見ればすぐ分かるぞ。アイススケート場では裸足で思いのままに動けない。摩擦力の有り難さが身に染みるよね。声は、摩擦音芸術って訳だ。言い換えると、すきま風(スキマカゼ)芸術とも言える。摩擦音を自在に操るボイトレは、その奥深くを追求してみると、筋肉の密着度を体感出来て来るぞ。」

B♡「筋肉の脱力って、楽してるだけじゃじゃないのよね。脱力しながら「すきま」を密着させるのが、大きな仕事なのよね。簡単なようでムズイのよ。息(虚数君)主導で微調整するのって、更に難度がアップするわね。」

N♠「一昔前の家屋では、台風の強風を受けて、窓の隙間からピューピュー甲

高い音を出しながら、ガタガタと窓ガラスを揺さぶられた経験があるよね。この時の「すきま風」が高い音程を出すヒントになってるぞ。腹式呼吸で背骨筋の「すきま」を使いこなして、「すきま風」を再現出来れば、高い音程の声が出始めるからね。」

B♡「なるほど!窓の密閉度が音程を上げ下げしてるのね。身体内では、窓は筋肉が担当してるから直接動かせないわね。母音発声・筋肉密閉度・重力バランス・呼吸操作・・・等を組み合わせて調整するのって、カラオケやりまくらないと完成する訳ないわ。」

N♠「Bincoの最近の歌唱レベルは、「すきま風」を射程に捕えつつある。90歳の奇跡は、すぐそこに見えてるぞ。正しい荷重・正しい呼吸・正しい脱力・・・の雲海を抜けると頂上の三角点が見えて来るからね。道標代わりの頂上ケルンは、見ておいた方が、いいと思うぞ。ボイトレ山頂の空気感は、この世で味わって置きたい希少体験と成るからね」

【数学好きの方の為のボイトレ数式コーナー】
摩擦力はあらゆる場面に存在するナチュラルな現象です。代表的な虚数素材、電子の環境でもカミナリに見られるように、水分子の摩擦によって見事な雷鳴を演出します。俵屋宗達が描いた「風神雷神図」は、ボイトレの角度

から見ると、とても興味深い「風と音」を醸し出しています。数学的には、f=μN (f;摩擦力 μ:摩擦係数 N:垂直抗力)で表される簡単な数式です。ボイトレの中では虚数・実数を絡ませる有用な式となります。この発想を脳トレに加える事で発声に潤いが加味されますよ。
最後に付け加えておきますと、Nと言う抗力は、垂直に働いていますよね。ボイトレの中では、虚数の流れに対し実数君は真横から働くイメージを持っておくと、納得できる場面が多いと思いますよ。


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