BurnRate(資金燃焼率)とは?会社の資金運用を考える
*こちらに移行しました*5月1日
コロナ関連の話題の中で、〝バーンレート〟という言葉が気になったので、整理してみました。*最近は堀江貴文さんのロケット打ち上げ延期のお話の中でも出てきました。
主にはスタートアップ業界/投資業界でよく使われている単語だそうですが、全業界で必要な概念です。(言い方が違うだけで普段から皆さん当たり前に使ってはいます。)
ここでは Burnrateを整理した上で、収益が不安定な状況下において、コストをどう捉えるべきなのかを考えたいと思います。
*箇所により、BurnRate=BR, Gross Burnrate=GBR ,Net Burnrate=NBRと記載しています。
BurnRateとは
BurnRateとは日本語にすると、
資金燃焼率
と表現することができます。
会社経営がどれだけ続けることができるかの指標になります。
計算式は、以下です(非常にシンプルです)
つまり、意味としては、
BR=一定期間中にかかっているコスト
を指します。
主には月単位で計算されることが多いので、
一ヶ月にかかるコスト(費用)のことをBurnRateと表現することが最も多いようです。
例えば、
オフィスの家賃や、人件費などの諸々のコスト全部が月に300万かかっている場合、そのままBurnRateは300万円であるということが出来ます。
これだけだとただただ期間あたりのコストの話になるのですが、
まずBurnRateを考える上で、必要な考え方が
Gross(全体)とNet(実質) です。
Gross:a gross sum of money is the total amount before any tax or costs have been taken away(ロングマン)
Net:the net amount is the final amount that remains after all the other amounts have been taken away(ロングマン)
広告業界でよく使われるgrossとnetですが、
BurnRateにおいても利用されています。2つに分けて通常考えられます。
Gross BurnRate は上記のBurnRateの式と同様に、
=一定期間中にかかってくるコスト を指します。
重要なのは、Net BurnRateであり以下の式で表されます。
Revenueとは、収益、収入、歳入という表現をされますが、
簡単に説明すると、
コスト - 入ってくるお金 = NetBurnRate(実質のバーンレート)
であるということになります。
つまりNet Burnrate(実質のバーンレート)とは
実際に毎月減っていくお金
のことです
Runwayとは
BurnRateと同時に使われるのがRunwayです。
会社の資金がなくなるまでに残された猶予期間のことを指します。
単純に現在の資金で会社がいつまで生き残ることが出来るか という意味ですね。
計算式は、以下です。
Runway(猶予期間)を把握するためにコストを収入を整理する必要があります。
そして収入を増やすのが通常の理想だと思われますが、
積極投資が出来ないタイミングであるとか、事業の収益増のポイントが見えていない場合などには、コストをいかに減らすか、ということも大事になってきます。
ここではコストに注目します。
Cost
コストを考える際には、変動費と固定費があらゆる事業において基本になります。また加えてスタートアップなどでは特に初期投資費用なども考慮する必要がありそうです。
コストは一般的に以下に分類されます。
初期費用とその後の運営費用ですね。
図にすると、スタートアップ(創業時)にかかってくる費用イメージは以下です。
さらに運用費用は固変分解により整理されます。
もう一度図にすると以下ですね。
話をBurnRateに戻します。
基本的には、Net BurnRateをマイナスにしたい(ここに注目する)のですが、
その場合、収益を増やすか、コストを下げるか、両方かという選択になります。
収益は事業そのものの話になり、それぞれなのですが、
「コストを下げること」においては、基本的には固定費(Fixed Cost)を下げるという方法になります。
固定費とは、人件費、家賃、光熱費、保険料などのことを指します。
そのため、企業がコストを下げることを考えると、人件費と家賃に目を向ける必要が出てきます。
Net Burnrateのマイナスを目指す
スタートアップ業界では、
収入よりもコストの方が高い状態
つまり、Net burnrateがプラスになっている期間中のことを
デフォルトで死んでいる
と表現するそうです。
そしてこのデフォルトで死んでいる状態が現状のままだといつまで続くのかということを表すのがRunway(生き残れる猶予期間)ということになります。
基本的には、赤字(NBRがプラス)の状態から事業がスタートし、このまま収益を増やしていき、NBRをマイナスにすることがスタートアップ企業の目標となっています。
また簡単にNBRがマイナスにならない場合、
Runwayを考え、いつまで資金が持つのか、減らせるコストはどこなのか ということを考えていく必要があるように思われます。
ただコストを減らす際に最も優先度が高い(影響が大きい)のは
固定費である人件費や家賃になります。
結論
スタートアップ企業への投資や事業の存続を考える際には、
Net BurnRate(=コストー収入)とRunway(猶予期間)を考えることが重要
であり、
この固定費を削減することが出来るのか
収益を増やすことができるのか
の2点に関して注目することで企業の価値と将来性が見えてくる
ということになります。