見出し画像

ワンフェス特撮ガレージキット、東映版権取得への道(2023年+2024年追記版)

この記事は以下の様な方に向けて書いています。

・これからワンフェスに参加して東映版権(特撮系)申請をしてみたい
・他の版権は取った事あるけど東映版権の違いを知りたい
・厳しいとか色々噂は聞くけど実際はどうなの?

特撮ガレージキット

ガレージキットとは原型を作ってシリコンゴムで型を作り、レジンキャストなどで少数生産される組み立て式の模型です。
最近はデジタルで作って3Dプリンターで出力した物をそのまま販売する所もあります。
おもちゃに満足できない人や販売されてないキャラクターの
劇中のリアルな再現を求めて制作販売しています。

今は美少女フィギュアやメカ等が多いのですが、80年代のガレージキットの黎明期から出てた主役の一つにゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーなど特撮物があります。

90年代までは海洋堂やボークスがソフビやレジンキットを販売していましたが
近年販売しているメーカーはほとんど無くなって、ソフビ完成品を出してるのと、ここ2、3年で増えた東宝ゴジラや円谷プロの一般版権を取った新興メーカーがいくつかある位です。
東映版権でガレージキット出してるのは?ディフォルメで出してるメタルボックス位?
ただ特撮ガレージキットは今でもワンダーフェスティバル(以下ワンフェス)などで一定数のディーラーがいて、様々がキットが販売され続けていています。

画像2

当日版権システム

個人でガレージキットを販売しようと思っても著作権があるので勝手にできません。もちろんコミケで売るのもダメです。
そこでイベント当日だけなら許可して売って良いよと言うのが当日版権です。

誰でも著作権のあるキャラクターの許諾を取って合法で販売出来る魅力的なシステムですが、全てのコンテンツ、キャラクターの許諾が出る訳ではありません。
ネット等で情報を集める事が出来たりしますが、
中には長年注目してないと判らない暗黙の了解もあります。
(例えばガンダムはC3でしかダメとか、ドラゴンボールや鬼滅は全部ダメとか

ガレージキットイベントはトレフェス(オンライン)、ホビーラウンド、C3(休止中)などがありますが、現状東映版権の許諾が出るのはワンフェスだけです。

個人で仮面ライダーのフィギュアを作った!複製して販売したい!と思ったら
ワンフェスにディーラーとして参加、許諾を貰って正式販売
と言う手順を踏むことになります。

ワンフェスの版権マニュアルには過去の許諾出た実績、作品番組名が書いてますが
東映版権の作品は未記載です。
じゃぁ作りたい物が版権許諾されるのか?は実際申請してみないと判りませんが
毎回ダメ元でチャレンジするのも申請枠を無駄にしてしまい勿体無いです。

代表的な特撮:ゴジラの東宝、ウルトラマンの円谷プロ、仮面ライダーの東映と許諾が出ていますが、それぞれ微妙に扱いが違ってて中でも東映版権は解りづらい
情報が少ない、監修が厳しいなどと言われてるので
ここでは東映版権に特化した話を経験と取集した情報を元にポイントを書いています。

東映特撮版権で主な物(アニメーションを除く)

画像17
画像:amazon.co.jpより引用

仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズ
キカイダー、イナズマン、ロボット刑事、バロム1、宇宙刑事シリーズ等
70年代以降の特撮物
逆に言うとコセイドン、アステカイザー以外のほとんどの等身大ヒーローを制作しています。
怪獣ではなく「怪人」を作って販売したいと言う人は避けて通れません。
(この先は特撮物の話で東映アニメーションの話は判りません)
(2024追記:注『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』のキットを出したい方はこの先の話はあまり役に立ちません。アニメなのと製作委員会制で版元が不明の為です)

もくじ

・東映版権の利点
・ワンフェスで版権取得する方法、手順
・スケジュール感
・不許諾となる物(なりそうな物、過去になった物)
・結局何が許諾されるの?

・シン・仮面ライダーはどうなる?

東映版権の利点

画像17
画像:amazon.co.jpより引用

通常のワンフェス版権は当日版権なので幕張メッセの会場で
開催日1日しか販売できません。半年準備してたった7時間だけ。
売れ残れば別イベントで再度申請して版権料を払って再販するしかありません。

ところが東映版権は「1年版権」を取得できます。
夏に許諾を取ると冬ワンフェスや他のイベント、
ディーラーが直接販売出来るのでちゃんと通販体制を整えると
なかなか会場まで来れない遠方の人にも販売可能です。
(とは言え会場でしか販売しないディーラーもいますのでその人次第ですが)

更に版権期間内であれば販売個数を追加申請する事が可能です。
当然その都度版権料は支払います。
夏ワンフェスで売り切れて冬でも販売したい時、ワンフェスで新たな申請も不要で
東映版権物を並べても、他に1卓当たり別に5個6個の申請が出来ます。
(2023.02追記:2023年冬ワンフェスは6個に増えました)
追加申請は数週間から場合によっては数ヶ月かかります。
冬ワンフェス直前に申し込んでも間に合わない場合があるのでご注意を。

ただし!夏に5個売れたからと言って冬にも5個売れるとは限りません。
いや、売れません(笑)
東映版権は夏のみと知っている怪人ファンは夏に買い物を済ませ、冬に来ない人も多いです。
(自分は通販もしているせいでしょうか?冬は帰りの荷物が重いです…)

ついでに欠点も少し
東映版権の申請はワンフェス経由で行いますが、前回からガイドブック
現在はWeb上でのディーラー検索の版権一覧に反映されなくなりました。
ディーラーのSNS等で告知を探すしかありません。

(2023.02追記:2023年夏ワンフェスでは東映版権掲載が再開されました)
ちなみにこんなリストも作ってます。

また、通常の当日版権なら一度許諾を取ると3年間サンプル不要で再販可能ですが
東映版権は1年単位で、再販したい場合は再申請で再監修、再度サンプルが必要になります。

ワンフェスで東映版権取得する方法、手順

最近の中止を除き、通常ワンフェスは2月と7月の年に2回、幕張メッセで開催されています。
それぞれで版権申請が出来ますが、東映は夏のみの受付です。
(冬にいくら頑張って申請しても門前払いです)

2024年現在、ディーラーは1卓27,000円と当日版権申請手続き費2,000円が
最低限かかります。
当日代表者が会場に来る事が必須なので往復の交通費
住んでる地域によっては宿泊費も必要になります。
許諾が出れば版権料、複製費、その他経費色々かかります。

ここからワンフェスに東映版権で参加する大まかな流れを説明します。

参加申込(予備申請)
夏ワンフェスは通常7月下旬ですが参加募集は冬ワンフェスの終わった後、
3月上旬から始まります。2024年夏の締切は2月29日です。
この時点で版権物の何を申請するか一緒にディーラーページで申込みます。
これが予備申請です。

開催半年以上も前に何を出したいか決めないとなりません。
半年後何が流行ってるか解らないし、新たなライダーや怪人出るかも?
と思っても元々申請出来ないので諦めましょう。(後述)

ここから先は

7,728字 / 13画像

¥ 280

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?