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日本人の先読み能力に逆カルチャーショック

ブログには書けないけど、残しておきたいことを書くnoteマガジン『タケダノオト』。第二回です。

青年海外協力隊の任期を終え、アフリカのルワンダから2年ぶりに帰国しました。

身辺整理ができるまで、実家の熊本に滞在しています。

日本に帰ってきたら、驚くことばかり。

いわゆる「逆カルチャーショック」状態ですが、今日も驚いたことがありました。

区役所にて

転入届を出すために区役所に行ったんですね。海外にいる間は住民票を抜いてたので。

同時に国民健康保険と年金の手続きもしました。そしたら窓口の人がこう聞いてくださったんです。

「世帯主はお父様にされますか?ご自身になさいますか?『ひと世帯に世帯主がふたり』というのも可能ですが」

え??そうなんですか。てっきり「主」というからにはひとりだと思ってました(イメージしてたのは「世帯主」ではなく「筆頭者」でした)。

ということで、私も「世帯主」として登録。なぜかというと、国民健康保険の保険料はその「世帯」の前年所得に基づいて計算されるから。

つまり、もし私が父と同じ世帯に入ってしまうと、父の所得までカウントされてしまうため、払わなければならない保険料が高くなってしまうんですね(協力隊の間は無収入だったから、自分が世帯主になるのがいちばん低負担)。

私が住所不定無職であるというショッキング&デリケート&センシティブな事実には触れず、一番良い選択肢を先回りして提案してくださったお姉さんの「先読み能力」に感動。

私が2年間住んでいたルワンダでは、こんなに気の利いたサービスを受けた覚えはありません

1から10まで説明しても、やってもらえるのはせいぜい7~8まで。あとは9と10を横で伝えながら一緒にやる、みたいなイメージ(もちろんルワンダにもデキる人はたくさんいますし、私が農村部に住んでいた影響もあると思いますが)。

そんな生活を送ってきたからこそ、区役所のお姉さんの先読み対応に敬服してしまいました。

「慣れていらっしゃって助かりました。アフリカからの転入で、しかもパスポートも二枚持ってる(協力隊が使う公用旅券と一般旅券)し、戸惑われるかと思ったんですが」と言うと、

「ここは中央区ですし……いろいろなケースがありますからね」と笑っておられました。超スマート。

熊本市中央区役所の対応、感動しました。ありがとうございました。

雑貨屋さんにて

もうすぐ90歳になるばあちゃんの誕生日プレゼントを買いに、気になっていた雑貨屋さんを覗いてきました。

中川政七商店。1716年創業の奈良の老舗で、手績み手織りの麻織物を中心に全国展開しています。

以前熊本にはなかったんですが、帰国したらアーケードに店舗ができてました。たまたま通りかかったとき、松浦弥太郎さんの本に出てきそうな商品が並んだ棚を見て一目惚れ。

いいなぁ、こういうの。こんな素敵なモノに囲まれてたら「ていねいな暮らし」ができるのかなぁ(モノに頼りがち)。

店内を二周ほど吟味して、濃紺色の麻のストールを購入。

ギフト用に包んでもらおうと思って、レジに行くとこれまた素敵シンプルなメッセージカードが。

「このカードも一緒にお願いします。封はしなくていいので。あ、後から閉じるためのシールみたいなものってもらえますか?」

と聞くと、「当然です」とばかりに、そのシールもすでに一緒に入ってました

↑メッセージカードと、商店の刻印を模したシール

すごい。すごい。なにこの先読み。気が利きすぎる。

客がメッセージカードを買ったけど、ラッピングも必要→ このお客さんはこれからメッセージを書いて、後からカードを入れるんだな→ じゃあ後から袋を閉じるためのシールが必要だな→ シールも一緒に入れておこう

こういう先回りした接客ができるのって、ほんと素晴らしい能力だと思います。

こんなサービスができるのは日本だけじゃなくて、ほかの国でも当たり前のことなのかもしれません。

でも、2年ぶりに帰国して、区役所と中川政七商店での対応に感動してしまいました(さながらルワンダをディスる回になってしまいましたが、ルワンダは好きですし、すごい国です。念のため)。

勢いで普段なるべく持たないようにしてるポイントカードまで作ってしまいましたよ。

通わなきゃ。

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