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独りだけであげる祝杯

 独りだけであげる祝杯というものが、ある。

人に言うほどでもないが、すごく自分にとって大切な手応えを人生のなかで得ることができた時など。これまでの思想の土台が一つの結実を生み、それが目の前にちゃんと形を成して「出来事」として現れてくれた時など。

物理的なものから精神的なものまで様々だが、自分はこれで良かったんだな、という答えあわせが叶う瞬間が、時々突然やってくる。

本当に大切な喜びや達成を感じたときほど、人に安易に話したくない。話してしまうと、とたんにこぼれ落ちてしまいそうだから。

昔から手放しで喜びに浸ることを、「油断」や「慢心」と近い位置に置いてしまうからこその性かも知れない。

慢心を持ちたくないが、だからと言って無かったことにもしたくない。

兜の緒を締めるほどではなくも、感情の起伏をできるだけ一定にとどめたい。スタビライザーを操縦するように、ただただ穏やかに過ごしたい。

そんな時は、独りだけで静かに祝杯をあげる。

今日はこんなところで。


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