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卒業式の日、ほぼ日から

ハイモジモジの松岡です。

僕は大学を卒業する1か月前になって、大学側から留年を言い渡されたことがあります。

これまで自分が取得してきた単位数を学校側に確認していたにもかかわらず、その認識が食い違っていたことが判明し、このままでは卒業できないというのです。

でも、納得いかない。泣き寝入りしたくない。

そこで僕は学校が定める規則を自分なりに調べ上げました。そして単位認定に関する規定が各学部によって異なることを見つけ、学部長に陳述書を提出し、これは失敗に終わりましたが学長への謁見を試みるなど、卒業するための糸口を必死で手繰り寄せました。

そして最終的に「この男を卒業させるべきか否か」を議題に、臨時の教授会が開かれ、晴れて卒業を果たすことができたのでした。

と、ひと悶着あって、ようやく迎えた卒業式。

春からは就職先で頑張って働くぞ。となればよかったのですが、なんとこの時点で就職先は決まっていませんでした。就活に奔走しましたが、まさかの2年連続内定ゼロで、まったく行く宛がありませんでした。

それでも在学中からフリーランスでライターやウェブ制作に関わる仕事を始めていたので「誰も雇ってくれないならしょうがない」「このままひとりでやっていくか」と腹をくくっていました。

ただ、不安がなかったかといえば嘘になります。

本当にこの先、食べていけるのか。この拙いスキルで長い人生を渡っていけるのか。無根拠な自信はあっても、見通しは立っていませんでした。

そんな不安を抱えながら卒業式を終えたあと、自宅に帰ってパソコンを開きました。そこには、あの「ほぼ日」から一通のメールが届いていました。

「HOBO RADIO」というラジオコントに台本が採用されたことが書かれていたのです。



この「HOBO RADIO」という企画は、コントの台本を一般公募で募り、採用されたネタをもとに声優さんが声で演じるというもの。

台本は2本採用されたのですが、そのうちの一本を引用します。


[結婚式の祝い方]

男A:ようやくアイツも結婚か。
男B:そうだな~。
男A:でさ、来週の結婚式さ、
   パーッと盛り上げてやりたいんだよ。
男B:うんうん。
男A:でそのための案がいくつかあるんだけど、
   アイツの結婚式に相応しいかどうか、
   ○×で判断してくんない?
男B:ああ、いいよ。
男A:まず、オレが牧師さんになりすます。
(SE ブブー)
男A:冗談冗談(笑)。次、バージンロードに画鋲をまく。
(SE ブブー)
男A:これは露骨な嫌がらせ、か。
   次、「誓イマスカ」にオレが「はい」って返事する。
(SE ブブーブブー)
男A:わかったわかった、もう邪魔はしない。
   じゃあ、ブーケトスにAクイック。
(SE ブブー)
男A:Bクイック!
(SE ピンポーン)
男A:い、いいんだ。
   じゃ、仲人さんの一言ギャグにあえて大爆笑。
(SE ブブー)
男A:笑ってやれよ。
   んじゃ、ケーキカットで不景気カット、なんちて。
(SE ピンポーン)
男A:これはいいんだ。
男B:ていうかお前、もっとまともなのねえのかよ。
男A:ねえよ! だいたいオレたち、
   結婚式に呼ばれてねえしな。
(SE ピンポーン)
2人:はぁ~。


声優さんによる迫真の演技とSE(効果音)のおかげで、ちゃんとコントになってました。自分の台本を耳で聞いたときはうれしかったなあ。Flashで聴ける音声コンテンツなので、今はもう再生できる環境にないのがちょっぴり残念ですが。

ちなみにこのコンテンツ、ほぼ日には珍しいスポンサー(キリン株式会社)付きの企画で、採用者には缶コーヒーの「Fire」が景品として送られました。僕も箱ごといただきました。ま、当時コーヒーが飲めなかったんですけどね。



大学の卒業式の日、ほぼ日からもらった「台本採用」を告げるメールは、僕をとても勇気づけてくれました。「きみは面白い」と言ってもらえた気がしました。

いや、もちろんそうは言ってなくて、ただ「ネタを採用します」という内容以上でも以下でもなかったのですが、僕はこのメールにとても励まされたのです。

大学を卒業するのに苦労したかもしれないけれど、就職先が決まってないかもしれないけれど、この先フリーランスの道を選んで大変だろうけれど「頑張れば絶対いいことあるよ」と言われた気がして。

誰もいない部屋でガッツポーズをしながら、ほろっと泣きました。「あ、僕は大丈夫かもしれない」と、とても勇気づけられました。

その後「ほぼ日の塾」に参加できるという幸運にもめぐまれ、本当に感謝しています。ほぼ日のみなさん、本当にありがとうございます。

ていうかこのお話、ちょっとエモすぎましたでしょうか。
(SE ピンポーン)


このnoteは下記のツイートをもとに書きました。


ほぼ日の塾に関心ある方、ぜひ参加するといいですよ。



ありがとうございます。励みになります。