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【Day 57】誹謗と中傷 2020.5.23

庭で飼っているおたまじゃくしが、カエルになろうとしている。

足が生え、手が生えて、そろそろかなとは思っていたけれど、いつの間にか肺呼吸に切り替わっていて、目と鼻だけ水面から出している。

顔つきはもうほとんどカエルだ。長いしっぽだけがおたまじゃくし時代の黒っぽい色を残して、体全体も緑色になってきた。カエルの種類は分からないけれど。

この最後に残ったしっぽは、トカゲのように切れるのではなく、だんだん短くなるらしい。成長や進化というと「大きくなる」と考えがちだけど、カエルのように「縮める成長」もあるとは知らなかった。

我々人間の社会は大量生産・大量消費の時代が終わり、少子化にも歯止めがかからず、コロナがこれまでの価値観にとどめを刺しにきている。拡大することばかりじゃなく、カエルのように縮めて成長する方法もあるのだと覚えておきたい。

遅めの朝食を取りながら何となく「王様のブランチ」を観ていたら、スピルバーグの映画特集をやっていた。ほとんど観た作品ばかりだったが、「激突」など観たことがないものもあった。

人気ランキング1位は予想通り「ジュラシック・パーク」で、息子が触発されて「みたい!」と言い始めた。そしてもう何度めになるか分からない、パークではない新しいほうの「ジュラシック・ワールド」をAmazon Primeで観た。いつも子供に付き合って観ているけれど、正直、何度観ても面白い。

夕方、妻がいつもの「冷蔵庫になんにもない」を発動したため、スーパーに買い出しに行った。息子がマスクをするのを忘れてしまったため、いよいよ店内に入れない。妻ひとりで買いに行ってもらって、その間、息子とふたりですぐ近くの小さな公園で待つことにした。

たんぽぽの綿毛がたくさん生えていて、子供のころを思い出すように、ふう、ふうと吹いた。吹いて、飛ぶ。ただそれだけなのに面白かった。吹いた種がまた新しい芽をつけてくれるとうれしい。


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買い出しから戻ってきた妻によると、COWCOWの「あたりまえ体操」のコロナ対策バージョン「あたりまえ対策」が店内で流れていたという。

友人が作曲と歌唱を担当していて、活躍にうれしくなる。



そして、一度も観たことがないけれど『テラスハウス』という恋愛リアリティーショーに出演されていた女性が誹謗中傷を苦に亡くなったというニュースを知った。

どういう経緯で、どれほどひどい言葉を、どれほどの数と頻度で浴びていたのか詳しいことは分からない。けれど、何気ない一言が人の心と尊厳をズタズタにする可能性があることを、私たちは学ばないといけない。

いま一番、私たち日本人がアップデートしないといけないのは、働き方より、感染症との向き合い方より何より、言葉の使い方だろう。

奇しくもちょうど一年前。終わらない誹謗中傷の嵐にさらされ続けたひとりの人間として、「もういい加減にしないか」と言いたい。未来のある若者をひとり自死に追い込んで、それでも目を覚ますことができないか。

人を言葉で傷つけないこと。これこそが、社会に暮らすひとりひとりの人間が心がけるべき、あたりまえ対策だ。

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