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「形から入る」Quest FM 冒険の書その4

何かを始めるときに「形から入る」と、否定的に語られがちです。褒められるのは見栄えだけ、形だけで中身が伴わない、といった具合に。

でも「形から入る」ことで始まるものもあると思うんです。

ありあわせのもので何とかする美学もありますが、それと同じくらい形から入ることの良さもある。



いま、経営している文具メーカー「ハイモジモジ」と別に「Quest FM」なるグループを3人で結成し、Clubhouseで話をしながら「お財布的な何か」を製品化する企みを進めているのですが、モノづくりと同時に走らせているのが「組織づくり」です。

株式会社ではなくLLP(有限責任事業組合)にして事業単位のパートナーシップを形成しようとか、だったら社名に相当する名前をどうするか、運営資金をどうするかなど、けっこう具体的に話をしています。



まだモノもできていないのに、という意味では「形から入っている」と言えます。

でもモノを作るための器(=組織)もきちんと整えたほうがプロジェクト実現への推進力が変わってくるのも事実です。




思えば20代のころ、「西宮市に映画館をつくろう」という活動をしていました。プロジェクトの理念に賛同した30名ほどのメンバーで任意団体を結成していたのですが、いい意味で「メンバーの出入り自由」な組織でした。

ほとんどが社会人で、本業があり、参加したいときだけ参加するという緩やかな連帯が、ときに大きな力を発揮していました。難攻不落と呼ばれた地元の有力企業を口説き落とし、あり得ないと言われた場所を借りて上映会を開催できたことなど、ふり返ると「よく実現できたなあ」と思うことも多々ありました。

一方で、メンバー間には温度差がありました。

自分自身はプロジェクトの言い出しっぺであることから本業(当時はフリーライターでした)を投げ打ってでも力を注ぐ心構えで活動していましたが、現実問題としてそうはいかないメンバーもいるわけです。

だからプロジェクトがいい感じに進んでいるときはみな進んで参加する一方で、活動が停滞し始めると参加率がじりじり下がっていく。そして、そのことを咎めることはできません。時間をつくって力を貸してくれているだけでもありがたい、そういう組織でしたから。

ただ、それでは物事が進みにくいと感じたことも事実です。メンバーのスケジュール次第、気持ちの乗り方次第でプロジェクトが進んだり進まなかったりするようでは、事を成し遂げるハードルは高くなります。どうしても組織内の調整に追われるからです。




そういう経験があるものだから、この「Quest FM」に関しても「いいね!」のノリで始めた一方で、その屋台骨となる組織はきちんと整備しておきたい。その上で、やりたいことを存分にやる。

これが「大人の遊び」だと思うんです。

遊びと言えば先日、「Quest FM」結成以来、初めてメンバーの3人が顔を合わせまして、プロのカメラマンさんにも入ってもらってイメージカットを撮影しました。

まさに形から入ったわけですが、これがまたは面白かった。撮影場所をその場で決め、クルマを走らせて小道具と衣装を現地調達し、また現地に戻って30分で撮影を終わらせるという荒業。

でも、その仕上がったイメージカットのおかげで活動の方向性も定まりましたし、メンバー間の覚悟も決まりました。「いよいよ始まった」と、思いが一致したんですね。

次はそのイメージカットを使ったウェブサイトの構築を進めていきます。どんどん「形」から入っていきます。


以上、モノづくりするラジオ局「Quest FM」のDJ Atsushiでした。


次回のClubhouseは3/15(月)22:00から ▼



【松岡厚志 PROFILE】

ハイモジモジ代表。書類収納の決定版「WORKERS'BOX」ほか、思わず膝を打つアイデア・プロダクトを発信している。フリーライター、ネーム・デザイナー(ネーミングの専門家)、モノづくりするラジオ局「Quest FM」のDJ Atsushi、御茶の水美術専門学校非常勤講師などの顔を持つ。

Web Site >>> https://www.atsushi-matsuoka.com/
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