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扇風機

しばらくの間noteを書き続けて、最近では特にそのような傾向が見られる。何かというと、記事タイトルを付けずに思うままふらふらと書いてみることだ。今日もそのつもりであったが、趣向を変えて『扇風機』と題名をつけてみた。とは言ったものの、ここには何ら楽しめるエピソードもなく。
今日はとてもとてもあっついので最大に設定した扇風機の風にあたっては、氷をたっぷり入れた飲み物をばかすか飲み続けお腹がゆるい。と、それぐらいのくだらなさしか思いつかない。


さて、作業所通いであるわたしの一日も最近はなんだかやるべきことが多くなってきた。
今のところ優先させるべきは来月2日、とある場所で発表予定のリカバリーストーリーを完成させることであり、でも、それが一向に進まずじたばたしている。

リカバリーストーリー。一定の層からはやや馴染みが薄い“リカバリー”なる単語をわたしは一般に、あるいは身内へ向けてなんと説明するだろう。
オンラインの辞書を引いてみると、「取り戻すこと。回復・復旧すること」とあるが。メンタルヘルスのリカバリーはもうちょっと奥行きのある意味合いが含まれる気もする。
リカバリーとは、希望である。向上である。責任であり、役割である。
なんて、昔に見聞きした考え方をそのまま並べるのも少し違う気がする。

10年以上も前に精神障害を患って。そこから自己判断での断薬があり、急なストレスで崩れた病状の再発と入退院があり。二回目の退院後は作業所通いからピアスタッフなる役割へたどり着いて、今また数歩を後戻りした利用者という立場へ。その時その時でわたしの“リカバリー”は、途切れることがなかった。
この十数年を振り返ってみるとあるいは人生そのものを俯瞰で見てみても。物事の区切りとされる瞬間はあれど、その境目は常にグラデーションでぼやけており、ふと気がつけば今日までそこから明日明後日と未来までが地続きである印象だ。

「それで、リカバリーって」と。この同じ期間を近くで見守り続けた母親より意味を問われて、わたしはとっさに答えた。
「そうね、再出発。“再出発”ストーリーならイメージがしやすいんでない」うん、再出発……再出発ストーリーか。
わたしにとってのリカバリーという希望は、どんな場所でもどんな立場からでも、先を見る方を目指せるようなそんな「再出発」のストーリーである。


蒸し暑さを受け入れて、扇風機の風を最小に弱める。もう今日はこの記事を投稿した後に寝る時間も近づくから、その役割を果たしただろう。
数十分のタイマーによって電源が落ちるまで。翌朝の目覚めに備えて。今回もまた日付が変わるぎりぎりで、いつものnote。そんなわたしによる「再出発」を含ませたリカバリーストーリー。

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