知ってほしい!鵞口瘡(がこうそう)について①

これまでの混合育児の歩みは、マガジン
「私のちちのはなし」にてご覧ください。


混合育児を初めて1ヶ月、
もともと扁平乳頭*だった私の胸は無理を
し続けた結果、治りきらないうちに次から
次へと傷ができていました。
*参照:https://note.com/norarikurashi/n/n38e84a6e0471


※傷・炎症の描写を含みます。
苦手な方は閲覧をご遠慮ください。




更に2ヶ月目を過ぎると、
私の胸は目を見張る荒野と化していました。

授乳開始直後からしつこい白斑がべったり貼り付き続けた右胸は、
もはや自分でも直視できないほどにパックリと裂け、傷口が広がっていました。
左胸の乳輪には沿うように、転々と飛び火がぶり返し、尋常ではない痒みを常に携えていました。

混合育児に行き詰まり精神的にも沈み、
これ以上ないおっぱいトラブルを取り揃え、私は初めて助産院の門を叩きました。


地域で口コミ評価の高かった助産院に迷わず決めたものの、
下着を外しタオル一枚でベッドに横にたわってもなお、これから行われる医療的ではないケアに一抹の不安を抱いていました。


先生はイスに腰掛け、挨拶もそこそこに
手早くタオルをめくると、私の胸を見るなり
「まあ、ひどい傷ね...!」
とベテランの助産師さんでも少し息を飲んだように思えました。

「はい、なかなか治らなくて...」
恥ずかしさと、何でもないように取り繕おうと必死に振る舞っていると、続けて

「よく頑張ったのねぇ。」

そう一言発すると、先生はあえて私の顔を見ないように優しくマッサージを始めました。


その瞬間、それまで張り詰めていたすべての感情が解き放たれ、
私は咄嗟に胸元に置かれたタオルで目を覆い、
たまらず嗚咽しました。

マッサージを続けながら大変だったねーだとか、先生が投げ掛けてくれていたのはそんな
ありきたりな言葉だったと思いますが、
その時の私には聖母の言葉のように沁み入りました。


しばらくして私の呼吸が整うのを待って、
「ノッホさん、娘さんの口の中白くない?」

思いもよらない質問に、
私は冷静さを少し取り戻しました。


つづく

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