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永き音楽の旅、6話目

自身の音楽遍歴を辿る話の第6話目、高校卒業後へと話は進みます。
大学受験はどこか受かるだろうという甘い考えから勉強をしなかった上、受験校も少なく絞ったため、あえなく撃沈。
1年を浪人生として過ごすことになってしまいました。
ただ、この時間が音楽知識を得るという意味で、後々大きな影響を持つことになる出会いの年になっていくのでした。


そんな訳で、この1年は流石に真面目に勉強しなければいけなくなったので、遊びに行くことはほぼゼロにし、予備校への帰り道に、地元のレンタルCD屋で1週間レンタルをすることだけが楽しみの日々でした。

高校在学時までは新旧のハードロック一辺倒で、歪んだギターで速弾きが出来るまで練習していた私、基本はギター中心の音楽を聴いていて、ペンタトニック中心のブルースロックを好んで弾いていました。
クラシカルなスケールを速弾きするイングウェイとか、ジャーマンメタルとか余り聞かなかったなぁ。

そんな、どちらかというと狭いジャンルの音楽を嗜好していましたが、知り合いの勧めもあり、この機会にロックの歴史を学んでおこうと考え、その一つとして「やっぱり、ビートルズかな?」と思い、レンタルCD屋でジャケットのインパクトだけで、1枚のアルバムを借りてみました。

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

いままでビートルズと言えば、子供の頃ポンキッキで聞いたことのある初期の作品をイメージしていましたが、その印象は良い意味で大きく裏切られ、私の音楽の旅の中で一番の衝撃を受けることになりました。

ビートルズをロックと呼ぶかはさて置き、様々な楽器、変拍子、曲のバリエーションなど、いままで聴いていたハードロックとは違う、その創造性の爆発というか、自由さというか、こんなことをバンドでやっていいんだとびっくりしたのを覚えています。

それにしても、こんなのライブで演奏できないだろ?
その時はビートルズの歴史も知らず、この時期は既にライブを行っていなかったことも知らなかったので、ライブでどう再現するんだろうか?と不思議に思っていました。

その後、中期、後期のアルバムを聴き、偉大なる4人の天才が紡ぐ音楽へとどんどんと傾倒していきました。

名盤だらけなのは勿論ですが、当時、特に好きだったのは以下の3枚。

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
Abbey Road
Magical Mystery Tour

アイドル時代の明るい初期の曲は余り惹かれず、曲としては、ロック寄りで、ダークな曲がお気に入りでした。

浪人中は当然お金などなかったので、CDを購入することは出来ませんでしたが、聞くほどにビートルズの革新性や素晴らしさを分かり始め、彼らに対する研究心は大学入学後、サークルに入ることで更に加速していきます。

浪人したこの1年、人生の中では立ち止まった時期ではありましたが、その後永く続く作曲、録音への渇望の源泉であり、出発点となる貴重な時間となりました。

長くなりましたので、今回はここまで。次回からはいよいよ、大学のお話になります。有難うございました。

TuneCoreに2曲アップしていますので、最後に良かったら、聞いてみてください。


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