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【50代の大学生日記 第12話】40年ぶりの「美術」

 タイトル写真のシロクマはフランソワ・ポンポンの作品です。今日、京セラ美術館で鑑賞してきました。もちろん「学割」です。
本文には関係ありませんよ~。まぎらわしいんじゃいっ!

 4月から通信制大学生に転職した私。文芸を学んでいるといっても、「芸術大学芸術学部芸術学科」なので、受けることができる芸術系の科目はとても充実しています。卒業するには学部の専門教育科目の単位も取らなければならないわけで、まあ演習系じゃなくてテキストを読んでレポートを書いて提出する科目も多数あるのですが、「せっかく芸術大学に入ったのだから、芸大っぽいことをした~い! ヌードデッサンとかしてみた~い!」ということで、まずは自分の実力でもなんとかできるかな??という「立体造形演習」という科目に挑戦しました。絵を描くのが下手な私が中学の美術で担任の大平先生に唯一褒められたのは立体造形(モビールづくり)だったし、「ものづくり業30年超」の経験で何かを作るときの手順や道具や工法を考えて組み立てるのは、中学の頃よりも着実に成長しているはずだし、製図もできるようになったし何とかなるかな・・・と、

立体造形演習でやることは
①テキストをよ~く読む
②ピーマンを2方向からデッサンする
③発泡スチロールの塊をピーマンの形に彫刻する
④ピーマンの彫刻をデッサンする
⑤②~④を提出する  
です。
後から、プロ彫刻家の先生による項目ごと(量感、動感、質感とか)の採点と細かい講評が返送されてきます。

 面白そう!と思っても、私は高校の「芸術」の授業では書道をとっていたので、画用紙に絵を描くなんて、中学の美術の授業以来40年以上ぶり(笑)
まずはデッサン用の鉛筆を買いに画材屋さんを探して出かけました。

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ドイツSTAEDTLERって画材もつくっているのね。私が学生のときから使っている製図道具もSTAEDTLER製、同じ店で製図用品と並んでデッサン用鉛筆を売っているなんて知らんかった(笑)

②ピーマンを2方向からデッサン
とりあえずやってみた。そもそも基礎ができてないので出たとこ勝負(笑)
でもなんかサマになってる? 自分的にはこんなに描けることに驚き!

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先生の講評
生き生きとした動きは感じられますが、明暗の変化の見方が部分的になり、奥行きが十分出なかったのが残念です。目を細めて大きな明暗の変化をとらえるようにして下さい。

えっ? ピーマンに動きを感じる? 私には止まっているピーマンしか見えない(驚)「目を細める」ことで明暗の変化がわかるなんて! 私もまだまだだなぁ・・・ (あたりまえ)

③発泡スチロールの塊をピーマンの形に彫刻
これもとりあえずやってみた。ピーマンの凹凸がどちらを向いているのか、ときどきこんがらがる・・・ 横から見てもっともらしい形に削れていても上から見たら全然形が違うのはなぜだ!

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先生の講評
石のような強い形ですが、それだけに動きも硬いです。ピーマンの形の特徴をしっかりとらえ、より生命感の感じられる形を追求して下さい。

返す言葉もない。石のつもりで削ってるし、ピーマンの特徴をちゃんととらえられていないですからね。上手下手よりも、私にはモノを見る力すなわちデッサン力が圧倒的に足りないですね。これは趣味(本業?)である書道の臨書(名人と呼ばれる人の書いた古典作品を手本に、その技法や作者の心をまねて書くこと、書道の基礎トレーニング)でも同じことが言えますね。もっと「見る」ことにこだわらなければ・・・

④ピーマンの彫刻をデッサン
「横から見てもっともらしい形に削れていても上から見たら全然形が違うもの」を描いているのだから、あちこちおかしくてもあたりまえ(苦笑)
いま写真を見ると、デッサンも初めよりだいぶんくたびれてきてますよね~

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先生の講評
形のとらえ方が大変ユニークで、その動きに迫力さえ感じます。ただしもう少し形の性格を正しくとらえる目は必要です。それには今描いている所がどちらを向いている面であるかを考えることも大切です。

先生偉大すぎる! このデッサンだけですべて見抜かれている・・・
「形のとらえ方がユニーク」って、別に狙ったわけじゃないですから!

まとめ
結局私の作品?はトータルで77点の評価でした。60点を超えたので単位認定です。
予想以上の高得点でしたが、自分に欠けている点も見えてきました。
文芸でも書道でも「モノを見る目」は大事です。デッサンは見る目を養うすばらしい修行です。
「ヌードデッサン」デビューにはまだまだ修行が足りないので(結局はそこかいっ!)せいぜい芸術実技系の授業で修行を積みたいと思います。
ああ!芸術大学に入ってよかった~! 芸術大学、楽しぃ~!

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