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はじめての山鉾巡行 【嵯峨野ぐらし38】

 関西人に生まれて58年、京都の会社へ就職して33年、この年齢にして私は生まれてはじめて祇園祭の山鉾巡行というものを見ました。
 就職して33年のうち22年は他県の事業所で働いてたし、山鉾巡行は曜日に関係なく行われるので、7分の5の確率で平日だし、うまい具合に土日だったとしても梅雨時だから雨のことが多いし、晴れたら晴れたでクソ暑いし、時季的に疲れているから休みの日ぐらいは涼しい部屋でゆっくり昼寝をしたいし、そもそも、ウチでクーラーをかけて寝転んでKBS京都のテレビ中継を見てるほうが解説付きで山鉾や装飾品をアップにして見せてくれるから、現地で見るよりよっぽどよくわかるし…  と、これまで山鉾巡行を避けて生きてきましたが、ついに始めて、24日の後祭山鉾巡行を現地で見物したのです。もうこの世に思い残すことはありませんと言ったらウソになりますが、祇園祭はこの先一生見られなくても悔いはありません。(これは本気です)

南観音山


 河原町御池の市役所の前に行ってみると、南観音山辻廻しをやってました。山鉾にはハンドルがないというか、自在輪がないので、四条河原町や河原町御池の交差点を曲がることができず(自在輪を付けるぐらいの改良は室町時代頃でもできただろうに…)車輪の下に青竹を割ったものを噛ませて水をかけて、摩擦係数を小さくしてから人力で、えんやらや~と約9.5トンの南観音山の方向転換をするのです。その間、後続の山鉾は渋滞。のんびりしたお祭りです。私は短気なので、個人的に泉州のだんじりのように豪快にコーナーを曲がるほうが好きです。

南観音山辻廻し

 辻廻しの間、後ろで待っている浄妙山です。暑いところで立っているだけでも大変です。浄妙山ぐらいの小さい山鉾は、せ~ので神輿のように担ぎ上げて方向転換します。

浄妙山
有料観覧席

 御池通沿いの市役所前には写真のような有料観覧席が設けられています。日傘は禁止らしく、ここで座っているだけでももはや修行です。この人たちはこんな難行苦行をするためにいくら払っているんだろう?と、元締めの京都市のホームページを見ると…
 下のように、最前列に座るだけで5100円、イヤホンによる解説付きの「まなび席」だと10000円だそうな。(財政難の京都市の貴重な収入源)
でも、市民でわざわざこの席を買って見物する人はめったにいないと思われ、実際には旅行会社がこの席を買って、ツアーにして販売しているようです。

京都市のホームページより

  山鉾巡行見物に昼飯や嵐山観光をセットにしたツアーが主流ですが、中には下のタクシー会社のツアーのように、ホテルへ迎えに行って、有料観覧席まで送り届けて終わりというシンプルなツアーもあり…
どこにも解説付きとは書いてないので、4100円の席と思われ、それで11500円も取るのか~い! ボロい商売だ。

タクシー会社が販売してるツアー

 ちなみに、私は嵯峨からバス往復420円ぐらい(回数券使用) 道端の立ち席で10分ぐらい見たら、ばちくそ暑いので退散。それで満足。お安い山鉾巡行ツアーでした。ではまた。

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