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重金属を貯める植物と水銀に関する覚書

2章を書くに当たって多少なり植物と水銀について調べたので、リンクとメモを残しておく。

毒を貯める植物

”植物の中には汚染物質,特に金属類が多く含まれる場所に好んで生育し,さらに汚染物質を高いレベルで吸収・蓄積するものがいます。例えばウコギ科のコシアブラは土壌中のマンガンを特異的に吸収し,樹皮や葉に10,000ppm近く蓄積することが知られています。また,オシダ科のヘビノネゴザは古くから金草(近くに金鉱脈があることを示す植物)として知られており,カドミウムや鉛など非常に毒性の高い重金属を高い濃度で集積することがわかっています。このような植物をハイパー・アキュミレーター植物と呼びます。植物が重金属を高い濃度でその体内に集積するためには,(1)重金属に耐性があること,(2)重金属を高蓄積すること,が必要になります。一般に植物が他の植物との競合関係の中で生き残るためには,他の植物が生えられない環境でも生育できることが一つの「生き残り戦略」となります。”

”セレンが存在しない土壌に生育しているスタンレヤ・ピナータはエチレン・ジャスモン酸・サリチル酸の合成を通して害虫に対する防御タンパク質を生産しており,それにかかるコストの代償として生育が悪くなる。一方で,セレンが存在する土壌に生育しているスタンレヤ・ピナータはセレンの毒性により害虫からの食害を防ぐことができるため防御タンパク質の生産を止め,その分のエネルギーを生育に回すことができるというものであります。”

――要約すると

①ある種の植物は金属を貯め込むことで虫からの食害を避ける

②ある種の植物は金属を貯め込むことで食害を防ぐための防御タンパクの生産を止め、その分のエネルギーを生育に回すことができる

とのこと。おもしろい研究ノートだった。

イトムカ鉱山


”イトムカ鉱山(イトムカこうざん)は、北海道網走支庁(現・オホーツク総合振興局)管内常呂郡留辺蘂町(現・北見市留辺蘂町)にあった鉱山のことである。良質な水銀が採掘できる鉱山であり、最盛期の生産量は日本一であった[1]。イトムカとはアイヌ語で「光輝く水」の意味。”

日本にもあった水銀鉱山。自然水銀(液体のまま)の鉱山は世界的にも珍しいそうな。深い資料はネットに転がってなさそう。

水銀の産業利用

経済産業省製造産業局 化学物質管理課委託調査 平成22年度環境対応技術開発等(水銀含有製品需給マテリアルフロー等に関する調査)

水銀って何に使われてるのかいまいち分からなかったので。

塩素・アルカリ工業、電池類、金採掘、塩化ビニル製造、温度計、歯科用、ハイテク機器、油絵や朱肉にも使われているそうな。

国内の水銀は各産業プロセスから回収した分だけで賄えていて、余剰分の輸出までしているらしい。需要もこれからの技術革新で減っていきそう。各用途の代替可能性について逐一書いてあるのがおもしろかった。

人体には有害だからね。どんどん使われなくなっていくのはよいことだろう。




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