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そういえば京都に行った

秋も深まってきたが、住宅地生活をしていると紅葉を見ることがあまりなく、そういうシーズンだということをうっかり忘れがちだ。

三年前のちょうど今頃、紅葉シーズンの京都など観光のメッカだということも頭になく友人と旅行した話。

【2018年11月 二泊三日の旅】

わたしは熊本在住で友人は北海道在住だったので、現地で落ち合うことになった。

その友人とはかつて絵本作りを一緒にしたことがあり、いわさきちひろが共通して好きだったので『生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。』を見に行くという目的のため、たまたまこの時期に京都を訪れた。

個人的にはチョコミントの聖地『cafe1001』に行ってみたかったことと、修学旅行ではまるで興味がなかった古都、神社仏閣巡りのリベンジも果たせたらと。


二泊三日の旅だったが、直前に友人の飼犬(正確には同居している姉の犬)が体調を悪くし、姉は看護師のため夜勤などで留守にするから自分が看ないといけない。ということで、彼女は一泊二日となった。


◎一日目


わたしは一足早く京都へ着く。
京都駅を最後に見たのは、学生時代石川県と地元熊本の往来の経由点として降り立った1990年代も終わりの頃。ちょうど改装工事が行われていた時だ。
新しくなったのは初めて見た。
とてもかっこいい造りだけど、今自分がどこにいるのかわからなくなり何度もぐるぐると回った。
駅前にはタワー。写真を撮ったら
くるりのCDジャケットまんまになった。

ホテル予約は夏頃にしたのだがすでに空きがなく、我々の予算で立地もまぁまぁな場所としてやっと見つけた京都御所近くのホテルへまずはチェックイン。
こじんまりとしているが、京都の風情を演出しつつ今風のミニマムなホテルだった。
何より2017年オープンという新しさが良かった。ただ寝るだけなので、狭くても綺麗で最新の設備が搭載されており使い勝手が良くて十分だった。
しかし、2018年10月から導入という出来立てホヤホヤの宿泊税なるものをチェックインの際、要求された。
たかが200円といえど、知らなかったナンダソレ税金を突然払えと言われたら不服でちょっと気分を害した。ホテルのせいではないけれど。


荷物を置いて、今日のミッションであるチョコミントの聖地cafe1001へ。
地図上で見るとそう遠くはないようだったが、歩いて向かったらかなりの距離があった。
近くに来ているようなのに、民家が建ち並んでいて店なんてある気がしない。と思ったらあった。
民家と同化して見落としそうだったが、小さく看板が下がっていた。


Cafe1001


並ぶと噂に聞いていたので、人だかりができていて分かりやすいかと思っていたがシーンとしていた。まさか、店休日では?と恐る恐るドア開けたらやっていた。
しかし、人っ子ひとりいない。
貸切状態で逆に若干の気まずさを抱えながら、じっくりメニューに目を通す。
が、当初から決めていた通りパフェを注文。
待つ間、店内を眺め、置いてある本なんかもいろいろ見ていたらサブカルに傾倒しているということもわかった。
わたしの好きなサブカルチャーとチョコミントが楽しめる最高の店じゃないか、とテンション爆上がりなはずだがそうでもない。
何やら決まりごとが多くて、しかもちょっと強制力つよめの文言にいささか萎えていた。
まぁ、そこに至るまでにいろいろあったのだろう。全国、はたまた海外からありとあらゆる人間が訪れたらそりゃあいろいろある。
気を取り戻して、それはそれは映えるパフェを一応お断りを得て写真に収めてから実食。
ミントが本格的ぽい甘さ控えめのパフェだった。


目的を果たし、あとはその周辺で行ける所もないのでホテルに戻りながら散歩を楽しんだ。


わたしの住む町並みと違うなーと感じるのは、垣根や塀がないこと。
道路からすぐ玄関。隣家とも密着している。
長屋というやつか。
歴史の知識がまったくないことが悔やまれた。


しかし、地元の人が日常を営む町を散歩することが実は旅の一番の醍醐味であったりする。
名所や観光地などあらかじめガイドブックで見ていたものの実物を確認することもそれはそれで感動するのだが、知らない町にもそこで生活する人がちゃんといることを確認する密やかな感動もあるのだ。


たくさん歩いて疲れ果て、ホテルに戻ったらベッドに倒れ込みすぐさま寝てしまった。
夜の8時頃目が覚め、小腹が減ったので食事に出かける。
京都らしい食べ物は友人と合流してからにとっておき、近くでサクッと食べられる店を探した。
が、せっかくなので知らない店に入りたい。
また歩きさ迷いそうになったので、明日に向けて体力温存のため思いきって決める。
蛍光灯の光を放った、少し怪しい店構えの
チャーミングチャーハンというかなり怪しい店名の店の扉を開けた。
ちらほらと客がいたので、不味くはなさそうだ。
メニューをもらうと、混乱する。
全料理に(チャーハン付)と書いてある。
焼飯にも(チャーハン付)
もしかしてこの地域ではチャーハンがわたしの知っているチャーハンではないのかもしれない。
と思って、店員さんに聞いた。


わたし「これは焼飯に焼飯が付くということですか?」
店員「そうです。焼飯にチャーハンが付きます。」

なるほど。

わたしは餃子(チャーハン付)を注文した。
味は可もなく不可もない。
でも安くて、地元にあったら行くだろうなと思う。

そんな感じで一日目は終わった。